喧嘩で姉妹なおすすめアニメランキング 8

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早速見ていきましょう!

78.9 1 喧嘩で姉妹なアニメランキング1位
五等分の花嫁∬(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (490)
2054人が棚に入れました
「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。林間学校での様々なイベントを通し、さらに信頼が深まった風太郎と五つ子たち。そして今度こそ、五つ子たちの赤点回避をすべく家庭教師業に邁進しようとした矢先にトラブルが続出。さらに風太郎の初恋の相手である“写真の子"が現れ・・・!?風太郎と五つ子の新たな試験が幕を開ける──!!

声優・キャラクター
松岡禎丞、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

中野家に行こう!!

原作未読

こっちのGOTO分は中断せず完結までやる気ですね。放送終了後に「続編制作決定!」です。
五つ子のキャストが豪華だといっとき話題になったマガジン発ラブコメの第2期。続きもんです。

 うえすぎくん

といえば五つ子よりも双子を真っ先に思い浮かべる世代の私。少なくともサンデーではやらなさそうなアクロバティックな設定といいますか正統または王道にはなれない飛び道具みたいな作品の位置づけかと思います。一人に対して恋敵が多すぎるのです。
そんな飛び道具らしい尖りを魅力と捉える向きがある一方で、多くは“ラブ”に期待できないまま、1期の電波ソング『五等分の気持ち』や豪華キャスト&ハーレム司令塔松岡さんに見られるキャラ先行作品と嫌がって離れた方も多かったのではないかと思います。1期終わって自分はややネガティブ寄りでした。そんな入りからの2期でしたがややポジティブ寄りでいったん完走です。なぜか?

“強み”を自覚したからではないかと思います。
ひとつは“キャラ”。画が安定したことで声優陣おんぶに抱っこから脱却をはかれたと思います。
二つめは“花嫁レース”が始まったこと。各馬紹介の1期から発走した2期だったと言えましょう。

嫌な言い方すると「ラブゲーム」or「ラブストーリー」に期待できないし、大きな流れで捉えると矛盾だらけになるから、刹那のキャラの輝き(かわいい、良きセリフ)に頼るしかないのです。そのポイントが底上げされた感じ。そこにもう一つのスパイスをかけます。射幸心を煽る本作の売り

 誰が花嫁になるの?

競馬ファンは事前情報でも楽しめますが、素人は発走してからが本番です。
ケアすべきところをケアすることで作品としてきゅっと締まったといってもいいでしょう。ポジショニングの鬼イニエスタ加入で変わったヴィッセル神戸みたいなもんです。ラブコメリーグの最高峰サンデー(仮想バルセロナ)だろうが極東リーグ的なマガジン/ジャンプ(仮想ヴィッセル)であろうが要所を抑えれば試合になるってことです、、、たぶん。
ちなみに自分は五人ともOKです。裏を返せば誰でも良いとの鬼畜回答。
{netabare}1位③ドベ①が模範解答かもしれませんが、逆張りでなく良し悪しトータルで五十歩百歩な気がします。③は意思疎通に難がありすれ違いが頻繁に起こりそう。いざ付き合って壁が取れたら豹変する未来が見えます。逆に①をフォローすると母親死亡時の⑤を見て“姉”を演じざるを得なくなるなど調整役と言い聞かせてきた半生から転じて、それでも賭けに出るほどの自分の意志を示そうとした勇気はなかなかできるものではないと思います。{/netabare}
{netabare}それでもキャラ描写が分散しちゃって、各々好きになる理由が希薄だったり♂が朴念仁なのもあって男女間のやり取りの妙は皆無でございました。{/netabare}


なおラブストーリーに期待できない理由は1期レビューにて。基本評価は変わらずです。

 物語性に蓋をするからこそ成立する

少なくとも登場人物の気持ちに寄り添ったり心情を重ねるなんてことはありませんよね?
なんだかんだ乗り切れない理由も挙げておきます。以下敬称略

{netabare}⑤なんですけど大好きなお母さんの職業(教師)を目指すは良いとしてそんな家庭環境だったらもう少し成績マシだと思います。揃いも揃ってという作品の根幹部分が不思議でなりません。{/netabare}
そもそも通う学校や居住場所も同じ。年齢も同じ。顔は一緒だと言いながらそこはさすがに差をつけてはいたものの化学反応させるための素材が似たり寄ったりなため、“性格”と“声”に我々の意識が集中せざるを得ないのです。

もったいないとは感じません。求められてる役割はこなしていると感じる佳作でした。
続編視聴は微妙です。



※ネタバレ所感

■フォルテッシモ!?

2期のタイトル。パッと見た感じ2期を表す記号は単なる“Ⅱ”とは違います。音楽用語でいう“フォルテッシモ”かと思いましたが積分記号“インテグラル”って見方もあるようですね。

{netabare}賞レースの鍵を握る少女レナの正体が⓸だと確定し、先行①②③に⓸が入ってくる終盤の流れでした。前者は消えた感あります。思えばどんな時でも姉妹優先で動いてきたことで他4人からの祝福を最も受けやすい存在になってたりします。{/netabare}
{netabare}でもそれミスリードなんじゃないかしら。⑤が捨てがたい。そこで“ff”、伊語はラテン系です。
レナは“RENA”“LENA”ってことになるわけでラテン語系で“LE”は“ル”と読みます。すなわちレナ=ルナ(月)。①にとって刹那の七並べが大事な思い出だったこと同様に、フータローにとってのレナとのクライマックスエピソード部分を担っていたのが実は⑤のレナでした、なんてことがあったら面白いかも。1期第1話しょっぱなは⑤から始まったしあとあと納得しそうです。{/netabare}

完結作品の予想なんて意味ないでしょうが私マンガ読んでないのでこの点まだまだ楽しめそう。


■みかたを変えれば…

前述“性格”と“声”で差をつけるしかない制約大な本作品。
実際良し悪しでして、インパクトありそうなことを思いつきでやってるような進行のためお世辞にも物語としてOKかは微妙なんです。
ただ頑張ってるなと個人的に思ってるとこもあって、、、
三角関係つまり3~4以上プレイヤー増やすほどにパズルは精緻さを求められるわけです。せいぜい2:3か3:3が限界値で本作のように1:5なんて土台無理。あまり踏み込まず俗に言う“ハーレム”でお茶を濁す以外ないのに、これけっこう踏み込んでるんですよね。
たぶん描き始めて作者は後悔したんじゃないかしら。敢闘賞を送りたい作品でもあります。



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ視聴

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2021.03.31 初稿
2022.02.10 修正

投稿 : 2024/10/05
♥ : 35

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ようやく動き出したか

風太郎と昔出会った女の子について完全には明かされないが、少しずつ動き出してきた。そして、五つ子が積極的になってきた。試練だったり、姉妹同士での思惑が交錯したりとよりスリリングな展開に。

続きが気になる終わり方。


OP
五等分のカタチ 中野家の五つ子
ED
はつこい 中野家の五つ子
今回はどちらの主題歌も中野家の五つ子。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。林間学校での様々なイベントを通し、さらに信頼が深まった風太郎と五つ子たち。そして今度こそ、五つ子たちの赤点回避をすべく家庭教師業に邁進しようとした矢先にトラブルが続出。さらに風太郎の初恋の相手である“写真の子”が現れ・・・!?風太郎と五つ子の新たな試験が幕を開ける──!!


第1話 今日と京都の凶と共
波乱の林間学校が終わったのも束の間、ひき始めの風邪が悪化し、入院することになった風太郎。林間学校での様々なイベントを通し、距離が近づいた五つ子は、風太郎のお見舞いにやってきた。そこで、五月から何故勉強をするのかその理由を聞かれた風太郎は、5年前に京都で出会ったある女の子の話をすることに。

第2話 七つのさよなら 第一章
期末試験まで残り1週間。次こそは赤点を回避すべく、リベンジマッチに燃える風太郎とそれに答えようとする五つ子。しかし、1人乗り気でない二乃は、何かと三玖と衝突してしまう。目標達成のため、二人の仲を取り持とうと画策する風太郎だが、逆に二乃を怒らせてしまい……

第3話 七つのさよなら 第二章
落ち込んでいる風太郎を見かねて、仕方なく部屋にあげた二乃。何があったのかと聞かれた風太郎は、五年前に京都で出会った女の子と再会したことを二乃に打ち明けることに。すると、2人きりだと二乃とも普通に話せることが分かった風太郎は、再び二乃に帰るよう説得をする。しかし、二乃にはある心残りがあり…

第4話 七つのさよなら 第三章
陸上部の手伝いと勉強を両立しようと頑張る四葉だが、急遽合宿が決まり、益々追い込まれてしまう。何とか四葉を救い出そうと、風太郎と一花、五月は陸上部の所へ向かうことに。一方、二乃を説得するためホテルに訪ねてきた三玖。『過去は忘れて今を受け入れる』、再び五つ子が揃うことは出来るのか─

第5話 今日はお疲れ
一度は家庭教師を辞めた風太郎だったが、五つ子の必死の説得により、家庭教師を続けることに。年が明け正月、らいはと共に参拝にやってきた風太郎は、偶然五つ子に遭遇する。五つ子の新しい家に立ち寄ることになったものの、何故かあの手この手で風太郎をもてなそうとする五つ子。いつもと違う様子に怪しむ風太郎だが、五つ子の本心は……!?

第6話 最後の試験
次の試験で赤点回避が出来なければ転校することになった五つ子。一丸となって乗り越えようと頑張る風太郎と五つ子だが、その思いとは裏腹に中々思うように成績が伸びないことから気持ちが焦りだしてしまう。果たして無事に『最後の試験』を突破出来るのか─!? 

第7話 攻略開始
風太郎と五つ子の努力が実を結び、ついに全員で赤点回避を成し遂げた! 試験突破のご褒美に祝賀会を開くも、そこに二乃の姿はなかった。すると風太郎は、全員強制参加だと二乃を迎えにやってきた。風太郎と決別しようとしていた二乃だったが、思わず感情が溢れ出し……

第8話 スクランブルエッグ
春休みに入り、五つ子と距離を置こうとしていた風太郎だったが、家族旅行で訪れた温泉宿で中野家一向と遭遇してしまう。お互いがギクシャクしている中、何故か風太郎に家庭教師を辞めるよう促す五月の偽物まで現われ…… 果たして風太郎は、偽五月の正体を見つけ出すことができるのか!?

第9話 ようこそ3年1組
一花の提案で家賃を五等分することになった五つ子。それぞれバイトを探す中、風太郎のバイト先に二乃と三玖が面接にやってきた。募集1名の枠に選ばれたのは─春休みが終わり、無事3年生に進級した五つ子と風太郎は、まさかの全員同じクラスに! 面倒ごとに巻き込まれないよう振る舞う風太郎だが……

第10話 五羽鶴の恩返し
中野家の父が、家庭教師の後任をクラスメイトの武田に任せたいという話を聞いた風太郎。そこで、家庭教師を続けながら今度の全国模試で一桁の順位を取るという条件で武田と勝負をすることに。一方、一花は風太郎を他の子に取られたくないという気持ちから、ついに行動に出る。

第11話 シスターズウォー 前半戦
風太郎との進展を図るべく、それぞれが思惑の中、修学旅行への意気込みを露わにする。そして迎えた修学旅行当日。一花、二乃に加え、五月まで態度が豹変し、困惑する四葉。不穏な空気の中、風太郎と班が離れてしまった五つ子は、何とか二人きりになるチャンスを伺っていた矢先に……

第12話 シスターズウォー 後半戦
それぞれの思いがぶつかり、ギクシャクする風太郎と五つ子。修学旅行最終日。コース別体験学習で風太郎と二人きりになれるよう、最後は運に任せることにした五つ子。果たして5つのコースの内、風太郎のいるコースを選ぶのは…… そして、五つ子の思いはどう形づくのか─

投稿 : 2024/10/05
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

2≦5<4<1<<<<3(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
1期のラブコメ全開から、シリアスな恋愛面が強調された2期。

作風的には1期のノリの方が好きでしたが、2期によってキャラクターは深まったので、トントンかなと。

レビューでは、私の好きなキャラについて(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
個人的には、完全に三玖一強ですね。主人公とのエピソード数が多いし、そもそも私はクーデレ好きなんすよ(笑) 

この間、近くのローソンに行ったら5つ子のグッズがあり、三玖だけ売り切れでした。やっぱり人気あるんだな~と。

次に好きなのは、一花ですね。三玖とは逆で、多分、人気はないでしょうが(笑)

本作ではダークモードになりましたが、ああいう部分含め、良いなと思います。本来5人の違いなんて全然ないのに、ムリにお姉さんぶろうとしている不器用さや、その中で出したワガママに、人間らしさを感じました。

私は結構、メンドクサイ女が好きです(笑)

ここにニ乃を加えた3人が、本クールのメインキャラクターでしたが、、、逆に、だからこの3人は正妻じゃないのかな~とも思います。

こういう平等ハーレム作品の場合、後半のヒロインが正妻になる確率高いですしね。まだヒロイン力を出していない四葉と五月が本命でしょうか。ただ、最終話Cパートで、ああもはっきり五月を推されると、逆に四葉が怪しいよな~とも思います。初恋の相手だし。

と、冷静に分析するとそうなんですが、やっぱり私は三玖を推したいですね。

私の場合、ハーレムモノは「誰に勝ってほしいか」より「誰に負けてほしくないか」で考えます。言い換えれば、「誰に泣いてほしくないか」。その観点で言えば、圧倒的に三玖。

二乃を筆頭に、あとの4人は、フータローと結ばれなくても、(性格的に)他の誰かと幸せになれそうな気がするのですが、三玖に関しては、なんかずっと引きずって次に行けなそうで。私は性分的に、勝者より敗者に感情移入するんです。

ちなみに、私の三大属性は「クーデレ」「負けヒロイン」「幼なじみ」です。補助として、「文学少女」「ショートカット」「貧乳」「不器用」などがつきます(笑)

姉妹の中では、これらの要素に当てはまるのは三玖ですからね。原作ネタバレはしないように注意してるので、私の指摘は的外れかもしれませんが、とにかく、ないだろうけど三玖の正妻を心から祈ります!

にしても、姉妹思いで、皆、前に進もうと必死なのが好印象の5人ですね。あの六つ子に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいですね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ついで(笑) にらめっこ(笑) てか、5年前なら記憶あるよな、普通。

2話目 ☆3
喧嘩と家出。五月は完全に溶け込んでるな~(笑)

3話目 ☆4
幻じゃなく、本当に居たのか。なんか、ミステリーのように(笑) キンタロー君、超優しいんですけど~(笑) 

4話目 ☆4
確かに、変装はお互い様だな。紅茶も緑茶も同じ葉で、発酵の違いというのは知っていたけど、それをこの五つ子に使うのは上手いな。髪の長さは、当たり前過ぎだな。四葉が切れたと思ったら、二乃。ミディアムヘアに。二乃に遠慮してる(笑) 失って初めて、というやつですね。三玖のショックの受け方が。五月が、有事です(笑) 謎の店長w 二乃ツンデレ。死ぬぞ(笑) まあ、六等分の方が簡単だし(笑)

5話目 ☆3
三玖(笑) まさかの四葉(笑) 一花、恥ずかしいんかい(笑) 五月から懐柔。

6話目 ☆3
月命日。まあ、自分のためにもなるのかな。姉妹、順番に攻略。三玖、やっぱり良いな。

7話目 ☆4
二乃の先制攻撃、フータローに改心の一撃(笑) 

8話目 ☆4
五月の森(笑) まあ、中身で判断ね。本作の核心ですもんね。

9話目 ☆4
五つ子で同じクラスは、圧力ない限り、ないだろ(苦笑)
二乃、デレッデレだな(笑) 一花、可愛いけどな。

10話目 ☆4
一花の暗躍。これ、キャラとして吉と出る凶と出るか。四葉にもスポットを当てる。全員、気まずい(笑)

11話目 ☆2
ギスギス感は、あまり楽しくないな~。ニノ、大活躍。

12話目 ☆4
ミク、ダークモード。一花、ダメになるところが、魅力的でもある。こうなると、イツキの存在感の薄さと、四葉が(笑) いつき、ナニがあると?(笑) 自意識過剰君(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 26

80.9 2 喧嘩で姉妹なアニメランキング2位
School Days-スクールデイズ(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (3077)
14101人が棚に入れました
伊藤誠(いとう まこと)は、以前から登校時に時々同じ電車になる隣のクラスの桂言葉(かつら ことのは)の事を気に掛けていた。
「好きな人の写真をケイタイの待受け画面にして、3週間誰にも見られなければ思いが成就する。」
ばかばかしいと思いながらも、誠は学園に伝わるおまじないを実行するが、わずか1日で隣の席の西園寺世界(さいおんじ せかい)に見つかってしまう。そのお詫びという名目で、世界が言葉と誠の間を取り持つことに…。
その日から誠の退屈だった日常が大きく動き始める。

声優・キャラクター
平川大輔、岡嶋妙、河原木志穂、井本恵子、永見はるか、田中涼子、たかはし智秋、亜城めぐ、松本ヨシロウ

kochiro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悲しみの向こうへ

いや、これは酷い。あえてお薦めしません。


結論だけ書く。

この作品は病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。病んでいる。本当に病んでいる。



























nice boat.









ってこんなトラウマになるようなレビューを書いておけばこの作品の雰囲気が伝わるかと思いました。

ただ、この作品の挿入歌「悲しみの向こうへ」を、いとうかなこさんが歌っていたことに気が付いて、ライブでも歌ってくれないかなと、なぜだか願ってしまっている自分がいます。ああ病んでいますね。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 16
ネタバレ

デリダ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最強の反面教師(評価が難しいので☆はデフォルトで済ませます)

衝撃作と友人からオススメされたのを思い出して見ました。
高校生の時にオススメしてきた友人の正気を疑う。
やっと色々許せる年齢になったと思われる(それでも十分私は幼稚ですが高校生よりはマシということで)年齢になって
ちょうどいいタイミングで見ることができてホッとしている。(できれば一生見たくなかった)
2007年ひぐらしのなく頃に・解も放送してるし、頭が錯乱しそうになるアニメが二つも、、、

エロゲ原作しかも鬱であることは最低限知って見るべき作品です。
よくあるエロゲのハーレムモノの中で少しでも感動したような人間は戒めとして見るべきですね、ハハ。
浮気性の人間も見て教育されればいいと思います。
怖いなあ、、、


ネタバレ盛大にやってしまっているので見るのは自己責任でお願いします。
{netabare}
まず気になるラストシーンの「やっぱり。中に誰もいないじゃないですか。」セリフの考察。世界は本当に妊娠していたのか。
1想像妊娠説
2言葉の幻覚(錯乱)説
3早期すぎる説
4世界錯乱説

1の意見は結構見ますね。
ですがそもそも想像妊娠って妊娠への強い不安や恐怖、もしくは願望によって
脳が妊娠していると誤認してホルモンを分泌すると言われています。
しかしながらちゃんとしたメカニズムは解明されてないようですが、
世界はそもそも言葉への罪悪感や嫌悪感、刹那がいなくなった寂しさでふさぎこんでいたわけですし、不安や恐怖と言っても全然種類が違います。
ましてや妊娠を望んでいたような風にも見受けられませんでした(クラスで動転して声を荒げていた)
ちなみに想像妊娠は脳の誤認なので本当にお腹が張ったりするそうです。


2言葉は既に錯乱状態でしたね。誠君ならそこにいますよ。とバックを見た時のセリフ、その発言はあたかも誠が生きているかのような言い回しにも聞こえました。
少し前の回で通じていない電話に向かってひたすら話しかけていましたね。
そしてお腹を割いた時、妊娠を嘘だと思い込んでいた言葉にとって都合のいいように見えていたのかもしれません。


3これは最も確率が低いと思われます。
妊娠していても時期が早ければ目に見えないかもしれない、という説ですが、
文化祭は最低でも11月頭くらいにはやりますよね。12月にやるとか聞いたことないので。
それ以後世界は引きこもってしまいましたが、その間既に誠とは関係を持っていなかったことと仮定します。
そして12月のクリスマス。この時点でだいたい妊娠2か月になります。妊娠2か月となると胎児は2cmお腹も少し張り始めます。
言葉のような秀才がその程度の知識がないとは思えないですし、また見落とすとも考えられません。


4実は世界も狂っていた。
言葉と同じような状態説。救いようがないですね。閉じこもってるあたりから現実と妄想の区別がつかなくなり、意識が曖昧になる。混濁した状況で現実を断片的にしか理解できない状況で自分だけはまともでいようとした。包丁を持ち出したのは一時の激情というより錯乱。もしこれが本当なら妊娠してるより辛いです。あまりこれは考えたくないです。


てな感じで少し考察してみました。結局自分なりの答えは出ず。



ネットを散見する限り誰が一番悪いか論争は尽きることがないようですが
どうやら誠はZガンダムのカツのように視聴者からすべからく死を願われる存在のようで
最終回のさよならシーンではお祝いの言葉がやたら多かったですね、これにはさすがに笑いました。
とりあえずそんな調子なのでここで誠の名前を出しても意味がないですね、視聴者の総意なので。

それは置いといて世界が悪いというのが結構見受けられましたが最初の過ちは幼さゆえだったとも思うし
一人前としては程遠いですが女の子としてみれば、こんなことにさえならなければ
いいところで誠見限って魅力的な女性になってもらいたいというのが僕の気持ちです。


言葉は可哀想な壊れちゃった子みたいに感じた方が多かったみたいですが、
体が弱く元から引っ込み思案な上に、クラスでのいじめ
(料理を作ったりマフラーはいいですが、すぐ謝ったり誠の顔色を異様にうかがって仕立てになるような態度や冒頭での胸の語り草からして、過去にもいじめまでいかなくともずっと心許せるような人間は近くにいなかったと考えます)
もあり彼氏というすがることのできる存在ができてしまったがゆえに
この時点で心のバランスは誠が正常な判断が出来る相手だったとしても、うまく恋愛はできなかったように想像できました。
しかしこればっかりはもはや育ってきた環境が彼女のそうした性格の一部になってしまっているので
言葉に非が多分にあるというのなら、等しく言葉と出会ってきた人全てに責任があるとも思います。
親も含めた全員が人を育てて同時に自分も成長していくような関係を築くことができなかった、
というのはとても不憫にも思います。
世界にならできたかもしれないと思う誠を見限ることも、言葉に限っては見限ること最初の時点でできなそうでしたもんね。
こういう性格の人は言葉のように錯乱しなくとも、依存体質の人に多く共通するところがありますし、
たくさんひどい恋愛して勉強していくしかないようにも思います。まあ言葉は死にましたが。笑
にしてもあの姉妹の名前、心と言葉って、このアニメだと妙にきつく感じますね。



知ったかぶりのような気持ち悪いことあまり書きたくはないのですが、、、
恋心ばかりはしょうがない、と思います、僕は、少なくとも。
いろんな意見があると思いますが、誰も彼もすっきり恋愛できてい続けることができるなら、
そもそも大人になるだとか、経験して成長する、とか恋愛に関してそんな言い方しないでしょうしね。
現実的に大切だなと思ったのは8話で世界が部屋にこもって一日中泣いてる、って刹那が誠に告げていましたが
想像力不足ですよね、自分と一緒にいない時に大切な人がどんな思いをしているか、とか当たり前のことが
できないとただ周りを傷つけるだけの負の循環しか生まれない、と思います。

にしてももはや誠の知能は年齢を疑うレベルの低さを見せてると思います。
自分が大切に思う人の気持ちを推し量る力がいくらなんでも低すぎますね、
その場しのぎで人の顔色を伺っていて根本的に年齢不相応なほどに子供ですし。
女性に迫られたら流されるだけの人形と何も変わらないなあ、と思いました。
せめて浮気をするならバレないようにすることが大前提ですね、終わらせることもせめてひっそりと。
それがそれなりに相手を思いやることになるのかもしれませんね。
どうでもいいけど。

誠の場合はもはや恋愛感情ですらないような、なんでも受け入れて許してくれるような母性、母親を探すようにしか見えないので、女の子のキャラクターの恋についてだけ考えて見てました。
どちらにせよ、記憶の中でずっと残り続けるような恋愛をしたいなら浮気はしないことですよね、勉強になります。存分に傷つけばいいと思う。まあ死んだんだけど。
こんな風に書き込んでる自分ももはや気持ち悪いし、なんというかたった12話でここまで気分を害するアニメは初めてです。

{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 5
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ゲームやりました。わずかな選択の差が破局をうむ。時代を感じさせる名作です。

24年9月再レビュー

 本作品の終わり方にものすごく興味がありました。なぜ、そう描かなければならないのか。そしてなぜ、その結果ひどく心に残る作品になったかです。

 で、原作というか本編のエロゲをやりました。9千円くらいしましたけど。こちらも研究のためにプレイしたAIR以来2作目のアダルトゲームです。そして、非常に分岐が多くて大変でした。結局60%くらいしかまだ終わっていません。
 もちろん、アニメ作品ですからアダルトゲームありきではないです。アニメとして評価すべきです。ですが、やってよかったです。このゲームそしてアニメの意味が少しわかった気がします。

 アニメでは伊藤誠という男は世界のおせっかいをきっかけに同中・バスケ部の女子の行動で、ヤンデレ言葉とともに追い詰められたととっています。

 そして、破滅エンドの意味は「日頃の小さな齟齬から、選択の結果生まれる悲劇」ということ。個々人の思惑、欲望、我儘がつまり齟齬の原因になります。例えばですけど、失われた世代の起こした、秋葉、酒鬼薔薇、バスジャック…そういうものも小さな積み重ねで生じたのでは?

 社会のちょっとした変化がこの年代の少年少女を非常にバランスをとるのが難しい場所に追い込んだのではないか。性の情報、携帯電話、教育、個室、親の夜勤などがどこかで作用していないか。それをデフォルメして描くにはこの結末が必要だったのでは?と思います。

 何よりその選択が極端じゃないんですよね。ちょっとした言い換えとか気分でそうなるだろうなという変化です。そこに非常に強くリアリティを感じました。

 というのは「マルチエンド」をやっていて、選択枝の連続ですがその結果が、一つの設問「世界」「言葉」の選択を変えただけで、{netabare}一つは世界が妊娠して学校を中退し伊藤誠を復讐で殺すというエンド、一つは世界と言葉が2人とも伊藤誠の恋人になるというエンドでした。 {/netabare}極端ではありますがそこを見て「マルチエンド」の一つの意味性を実感しました。

 パズルとして謎解きという「シュタゲ」「ひぐらし」のようなマルチエンドがあるのは知っていますが、むしろ「スクールデイズ」のような選択の違いが極端な違いを産む方が、日頃の人間関係でもありそうなことで、なにか人生の縮図になっている気がしました。

「AIR(2000年)」が最後の方は変えられない結末に向けて、選択枝がない状態でもうどうしようもない絶望を味わったのと表裏になっていました。スクールデイズが2005年とその差わずか数年です。

 アニメ作品の終わりは極端ですが、アニメ作品単体からそれを読みとるには極端なエンドにするしかないでしょう。「もし」の連続の果てにある破滅エンド。だから、伊藤誠を私は憎めないし、リアリティがあると思ったんだなあと実感しました。やはりこの作品はアニメ単体だとしても、評価せざるを得ません。

 


21年8月レビュー

人物が描けていて非常に面白かったです。

 伊藤誠。アニメ界での知名度はかなりのものでしょう。アニメの出来のせいであまり露骨なイケメンに見えませんが、女子が寄ってくるキャラなのでしょう。
 2021年で初見というのもアニメ好きとしてはどうかと思いますが、伝説がすごすぎてあまり深い話ではないと誤解していたこところもあって、避けていたアニメでした。いわゆるNice boatですね。

{netabare} 伊藤誠は自分の価値に気付かない状態でセカイに付きまとわれたのが不幸の始まりでした。セカイは自分の無自覚な伊藤誠に対する気持ちを他人に転嫁したのでしょう。コトノハを誠と無理やりくっつけたとき、自分の中で誠への気持ちを自覚しました。または、無自覚なまま自分の理性をごまかして欲求のままに身体を合わせてやっと素直な気持ちになれたのかもしれません。

 誠は、ところかまわずセカイとキスをしたり、屋上でセックスを初めてしまうなど抑えが効かない幼稚な性格であることがわかります。
 で、次に連続して加藤オトメに押し倒されたのがまずかったですね。恋愛関係で3人目、肉体関係で2人目。ここでタガが外れたのでしょう。やろうと思えばいつでもやれる。欲望が先行して恋愛感情というものと肉体関係がリンクしなくなります。この辺りからもう2人とヤルわけですが、セックスのときのドキドキも感動も伊藤誠から無くなってゆきます。

 非モテからするとうらやましい限りですが、こういう人物はここまで極端ではないにせよ見かけると思います。ですので、伊藤誠というキャラは非常に自然で、モテる男の行動や思考パターンとしてはリアリティがありました。
 この段階で既にセカイですら面倒になりかけていて、妊娠したといったところで処理できなくなってセカイから目を背けます。で、みんなに愛想をつかされて、やれるならコトノハでいいやとなったわけです。
 こうしてみると、この2人を中心とした女の子たちが伊藤誠という男をスポイルしたわけです。極めて未成熟な誠が人の心がわからなくなって当然の結果でした。

 で、コトノハちゃんですね。こちらもモテますが暗い性格のせいでイジメられキャラでした。この暗さそして奔放に身体を許してくれる女子たちに比べて、胸を触っただけで大騒ぎするところなど、面倒になるというのも自然だと思います。しかも、病んでしまって他の男に身体を許してしまうなど、不安定さも表現されていました。

 というわけで、結末に至る原因はセカイがコトノハと伊藤誠を無理にくっつけたことでした。本人も自身の責任を自覚して反省はちゃんとしていたのに、セカイはクリスマスの日に用意した料理の残飯を見て切れました。ここもなかなか迫力がありました。{/netabare}

 普通のラブコメだったのに最後が突然みたいな話を聞きますが、展開からいってバッドエンドの予感も伏線もあった気がします。エロゲが原作らしいですね。エロゲって人間の欲望に素直に脚本がかけるのえかえって自然なストーリーなるのでしょうか。

 とにかくストーリーは面白いです。人物の気持ちの変化、感情の揺れ動きが非常にうまく描写されていました。アニメは若干古臭い萌え絵で、人物がだれがだれだか混乱することがありますが、物語は追えました。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 12

69.1 3 喧嘩で姉妹なアニメランキング3位
劇場版 蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-Cadenza(カデンツァ)(アニメ映画)

2015年10月3日
★★★★☆ 4.0 (227)
1187人が棚に入れました
劇場版第2弾。

今回は完全新作エピソードとなる。

声優・キャラクター
興津和幸、渕上舞、沼倉愛美、山村響、ゆかな、藤田咲、内山夕実、松本忍、宮下栄治、津田美波、東山奈央、原紗友里、M・A・O、福原綾香、佐藤聡美、三森すずこ、五十嵐裕美、木内秀信、置鮎龍太郎、釘宮理恵、中原麻衣、中田譲治
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

コンゴウ推しです。あの目が、目線がですね。。。

[2020/03/12 v1 コンゴウ推しです。あの目が、目線がですね。。。]

タイトル何にも思いつかなかったので、とりあえず自分に正直になっておきました。

原作知らず。

テレビ放送版、劇場版D.C.に続く、テレビシリーズとしての完結編(劇場公開)。テレビ版未視聴ならば、D.C.視聴はマストとなります。テレビ版視聴済みでも、D.C.のラスト3分の1が本作の下地となるので、いずれにしてもD.C.の視聴に続いて本作、と辿るのが良いと思います。

フル3DCGで描かれる迫力のハイパー艦船バトル(船である保証はない)を楽しむ。メンタルモデルと称する擬人化美少女美女艦船(艦娘とはちがうぞ)を愛でる。どちらの方向性でも楽しめる一作だと思います。

Cadenza(イタリア語らしい)ってどういう意味なのか分からなかったので調べてみたら、音楽用語で「即興的独奏・独唱」もしくは「和音進行」を指すらしい。んー。アルペジオ(分散和音・経時和音)からハーモニーへ。。。ってこと?あるいは、「独り立ち」?

テレビ版から続く物語としては・・・・(無駄に長いので畳みこみ)
{netabare}

― 物語全体について
{netabare}なんか、いろんなテーマがもりもりに盛り込まれてしまって、僕個人としては消化不良な感じ。

・ こころ・Self Identity・存在証明
・ 人とは何か。人とメンタルモデルの対比から。人が人たる要件。
・ 家族
・ 幸せの定義
・ 「生命体・地球」と人間
・ 種あるいは存在を超えた思慕・愛・ともだち・共生
・ 変化・進化・未来。その先の「可能性」
・ 為すべきことを為す
・ 規律・規範・守るべきもの

ざっと挙げるだけでもこれくらいは出てくる。
「こころ・Self Identity・存在証明」と「人とは何か」については、おおよその主張があったと思います。
が、残念ながら、のこりは中途半端に思える。いずれもそれなりの解釈の余地が与えられたという見方もできるが、ある程度の「回答」は欲しかったな。それにしたってもりすぎ。あるいは、なんかいい雰囲気のものを適当に詰めた、という感じなのかしら。{/netabare}

― D'où venons-nous? Que sommes-nous? Où allons-nous?
{netabare}ちょっとカッコつけてみました。
ゴーギャン[1897]のタイトルですね。"Where do we come from? What are we? Where are we going?(我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか)"。テレビ版のED入りに示され、また、作中でも繰り返された問い。残念ながら、この問いに対する回答も明確には示されませんでした。

「We=メンタルモデル」に限定するのならば、その回答は提示されています。
 何処から来たのか:
  霧自身が形成したもの
 何者か:
  人を模し、理解するために作られたもの。言ってしまえばSim。ただし機能拡張しすぎたっぽい。
 何処へ行くのか:
  自らの意思でこれから考えてくね。ばいびー。(本作Finale)

ですが、「We=霧」となると、最初の問い二つが未回答のままです。ガイア理論とか振りかざすのかな?原作あり、かつ、まだ終わっていないということなので明示は避けたのでしょうか。むしろ、原作の方(本作とは全然違うお話だとは聞いていますが)でどう問われ、こたえられているのかが気になります。{/netabare}

― 結局ムサシは何をしたかったのだ。
{netabare}メンタルモデルを破棄すれば即座に解決なのでは。でも、それをしたくないムサシ。「受け入れがたい感情とやらを打ち消すために、否定するために、何もかもを無に帰すの。」という感情(冒頭のセリフ)。出だしから自己矛盾の塊なわけで、その後のヒエイにぶちまけた「幸福論」とも相まって、何かのタガが外れた我儘ちゃんという方向性が見え隠れ。ちょっと、内面描写が浅かった感じがする。{/netabare}

― イオナの嘘とイ401のサブマリナー達
{netabare}ムサシによる事実上のハッキングを受けたイオナは、自身がヤマトのバックアップであると認識し、来るであろうムサシとの会戦において(ムサシの演算能力に対抗するためにはヤマトとならなければならないから?)イオナとしての自己を失い、ヤマトとなるであろうことを予想する。すべてを打ち明けることができず、群像に対して「嘘」をつく。

本作の中でも、重要な展開を持つシーンです。

この後ろめたさゆえか、あるいは、自己喪失の不安からかイオナ&イ401は霧の戦艦としての機能の多くを失い、「結構普通の潜水艦」になってしまう。。。。もう、ヒトそのものじゃん。それでいいじゃん。と、正直思ってしまった。

その状態で、無動力航行&隘路をぬける操艦をやってのけた副長とソナー。カッコよかった(直後にあれなんだけどねー)。{/netabare}

― 最終盤におけるイオナ:あれは必要だったのか
{netabare}ヤマト化したイ401、および、ヤマト化したイオナを指しています。
一つ上で書いた理由で霧としての機能を失ったイオナは、お茶会におけるコンゴウとの対話で「自己の存在証明」を得、霧の戦艦としての機能を取り戻したうえでヤマトど同化する。。。。のだが。

伊号四〇壱のままではだめだったのか。メンタルモデルの意識空間において、イオナとヤマトがオーバーレイするのは必要だと思う。けど、船までヤマトにする必要があったのだろうか。結局は、超弩級戦艦(ライクなsomething)同士の戦いになってしまう。こんなところにまで大艦巨砲主義持ち出さなくても・・・・

挙句にムサシ上空にワープして上からドカーンです。海江田艦長(沈黙の艦隊・かわぐちかいじ)がこれ見たら冷静で理知的な言葉で貶されるよ。海中直立下からドーンでもよかったじゃん(と、書いてから、それをやると丸パクリになるから駄目だったのかと思ったわけです)。

正直なところ、最後の戦いのシーンはエフェクト過多で見づらかった。{/netabare}

― 最終盤におけるイオナ:あれは必要だったのか・2
{netabare}ヤマト化したイオナの消失を指しています。
アフタークレジットにおいてイオナ生存(?)の含みを持たせる形で終わっているとはいえ。。。
イオナの消失を描く必要があったのだろうか。確かに、ヤマト・ムサシの対消滅という形がとられた以上、イオナを実質的に形作ってきたヤマトの演算能力も消えることになる。そちらのロジックを採れば、イオナの消失は必然とも思えます。が、人-霧共生の象徴たる群像・イオナの関係性を消してしまうことがこの物語に必要だったろうか。
感動シーンを演出したいということで(実際に良いシーンです。それは認める)このようにしたのだろうか。自らの問いかけに対する責任放棄なのではないだろうか。{/netabare}


以下、あまりまとまらない雑多な感想など。
―― 周辺情報:登場戦艦 ――
{netabare}知らなくとも問題ないとは思いますが、後付けでも知っておくと楽しめる幅が広がるかも。

大和型:ヤマト、ムサシ
金剛型:コンゴウ、ヒエイ、ハルナ、キリシマ
伊勢型:ヒュウガ
高雄型:タカオ
妙高型:ミョウコウ、ナチ、アシガラ、ハグロ
伊400型潜水艦:イ401

なお、金剛型のうちコンゴウだけは英国建造、なのでノリがちょっと違うのかな。
ヒュウガとタカオは、なるほどなんとなく(作中では)One and onlyな感じかな。
自信をなくした日向か。砲塔事故?失敗改造?

ヤマト・ムサシはそのまんま姉妹艦。生徒会はヒエイ以外は4姉妹。一方、蒼の艦隊はヒエイ以外の3姉妹が集結。
ヒエイさん、寂しい立ち位置に立たされていたのね・・・・

でも、どれとどれとってもそんなに似てるとか似てないとかわかんねーなこれ。{/netabare}

―― どうでもいいけどどうでもよくない細かいこと ――
{netabare}不満と疑問。気になっちゃうと、気になっちゃうんですよねぇ(笑)。

― 大海戦・・・前夜
{netabare}冒頭の話です。いえ、別に大したことではないのですがね。「大海戦」と字幕をだして4秒ほど。消して「前夜」。わかりにくいわ。いま目の前に映し出されたものが大海戦かそうか~と理解したあたりでひっくり返す。正直、出だしでこういう理解を妨げる情報の出し方をされると、残りを勘繰りながら観ることになるのでやめてほしかった。{/netabare}

― 渋谷駅前・・・・水没してないんだ。
{netabare}あと、タイムズスクエアとか。北極にあまり氷がない様子が描かれていたけど、極冠の氷がなくなった場合、60mほど海面が上昇するってのを読んだ記憶がある。渋谷って、高いところで海抜60mくらいで、駅前って谷地なので低めなはず。{/netabare}

― 演算リソースと代償(生徒会の面々の兵装)
{netabare}一応、僕もプログラムする人間なのですが。。。そりゃ、すべての演算を並列()でやるっていうのなら、演算リソースがボトルネックとなることはあるだろうけど。。プロセス切ればいいことでは?船体の維持にも「演算」が必要で、特殊な兵装と超重力砲を船体に組み込めないってことなら、そう言ってほしい。{/netabare}

― お、量子通信実装済みか?(振動弾頭のロック、および、ロック解除)
{netabare}なんかUSBメモリみたいな装置でロックとその解除が制御されているようなんだけど。
通信は霧に遮断されているんだよね?降伏勧告以降は解放されたとしても、それ以前にロック→装置を持ってイ401出航、の段階で通信制限に引っかかる状態になっているはず。ロックの実施と解除って可能なのだろうか。"コード"と言っているので、もしかしたらRSA秘密鍵みたいなものかもしれないが、だとしても以下は同じこと。日本でその装置に何かしらのアクションをしたとして、San Diegoに居並ぶ振動弾頭にどうやってロック解除が伝わるのだろう。電波に頼らない(その他媒質を必要としない)通信ってことなら、量子通信が実用化されているってことになるが。。それならそもそも霧による通信遮断が無効になるし。ちょっとこのあたりの理屈が入ってこなかった。まぁ、どこかの島にいるヒュウガ・タカオとイ401が通信できているので、霧由来の通信技術が応用されているということなんだろう。きっとそうだろうということで一応は呑み込んだけど。{/netabare}

― 群像、死ぬって、死んじゃうって
{netabare}ムサシ撃沈後、群像はイオナの無事を確認しに船外に飛び出す。。。おそらくは感情の盛り上がり最高潮・THE感動シーンのはずですが。。。僕は「減ったとはいえ氷山浮かぶ北極海に飛びこんだ」群像の命の心配しかできませんでした。{/netabare}

― なんで空母いないの?
{netabare}ま、船自体が戦闘力を持たない(ゼロではないが、他艦船に護られる対象)ので、ふさわしくないというのはわかる。が、最終的に船の形すら保ってないのだから、空母もいたっていいと思うんだ。なんでかな。{/netabare}{/netabare}

―― どうでもいいけど結構よかった細かいこと ――
{netabare}
― 頑張ったCG、惜しかったCG
{netabare}本当に細かいことで恐縮なんですがね。
開始20分少し手前の、とあるシーン。機関長・いおりが機関のなにがしかをチェックしているシーン。コンソールにあれこれ打ち込みながら、壁からポコポコと出るサムシングを目視確認しているのだが、この際の身体描写に「お・・」となった。左右を大きく振り返り、顔を向けるという動作をしているのだけど、上体の回転に伴う足の動きや、髪の毛の揺れ、胸の揺れなど、ほんの数秒のシーンだったけど妙に丁寧な感じがした。上半身がまだ固い印象は受けるが、よくやったもんだな―、と。
しかし、直後のシーンで「ん~」となってしまった。機関室に入ってきた群像・イオナと会話した後、いおりがイオナのおなかをくすぐる描写があるのだが。どうみてもくすぐってない(触れていない)。イオナのおなかの前で両手をうにうにしているだけで、イオナの体からいおりの手が浮いている。それでもOKっちゃOKなんだけど、イオナの反応からすると実際にくすぐっていてほしいところだった。これ、きっとすごく難しい&面倒なんだろうな。いや、あと少しだよ、きっと。

これに限らず、いずれもちゃんと「人物」が「演技」していたと思う。もちろん普通のアニメと比べたらいろいろ変な感じはするけれど、アニメと自称する静止画よりははるかにいい。でも、だからと言ってフルCGのほうが制作が楽ってわけでもないんだよね、きっと。
{/netabare}

― おい、双葉杏がいるぞ。
{netabare}おそらく多くの方が思っただろうけど。ハグロがまんま双葉杏(アイマスシリーズ)。僕でもわかる特徴的な発声に加え、キャラ付けも狙ってるとしか思えない。{/netabare}

― アシガラの水中シャウト
不覚にも笑った。イオナ通訳に対する副長・僧の「はぁ」にも笑ってしまった。その後も律義に通訳し続けるイオナに対しても、ふふってなった。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キャッチコピーは「霧の風紀は 地球の風紀。」「これは、人類への降伏勧告である。」

完全新作として上映されたこの作品は、TVアニメ版と「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC」の続編に位置する作品です。物語に繋がりがあるので、見逃している作品があればそちらからの視聴をお薦めします。

TVアニメ版では「霧の艦隊」であるタカオ、ハルナ、キリシマと東洋方面第1巡航艦隊旗艦であるコンゴウとの激闘が描かれていました。群像に触れ徐々に変わっていくメンタルモデル・・・その変化に順応できるか否かがポイントになっていました。
変わることは決して悪いことではありません。でも、これまで変わることを「悪」としてきた霧の艦隊にとっては受け入れがたいのでしょう・・・
これまでと180度真逆の事を実行しろと言われたら私たちだって混乱します。

「劇場版D.C.」では、TVアニメ版の焼き直しに新作部分が追加されて上映されました。
その新作部分において、更なる戦いの広がりを目の当たりにしました。
「霧の生徒会」なぜ彼女たちの組織が生徒会なのかは正直分かりませんでしたが、そこの知れない強さと超戦艦武蔵の登場によって今回の新作がとても楽しみになったのを覚えています。

しかし・・・潜水艦、駆逐艦、巡洋艦、戦艦、大戦艦に超戦艦・・・改めて見ると戦艦のバリエーションに脱帽です。
でも、これらは第2次世界大戦までに実際に作られた艦だと思うと、戦争は如何に多くのモノを失ってしまうか・・・そんな事実を突きつけられている気がします。

そして今作・・・これまでの集大成の様な構成と展開だったと思います。
「霧の生徒会」は執拗にイオナを沈めようと躍起になって攻めてきます。
そのしつこさには正直辟易しますが、何とも憎めないのが生徒会の皆さま・・・
この生徒会の凄いのは完全に分業していて、それぞれが専門に特化している事です。
いくらハイスペックでも単騎でできる事は限られています。
ありとあらゆる可能性を考えた上で構成された船隊なのでしょう。

もともとの潜在能力は決して低くはない生徒会の皆さんですが、思考回路がそれほど複雑ではないのかもしれません。
若しくは群像が素晴らしすぎるのかもしれませんが・・・^^;

イオナ vs 霧の生徒会が激しく戦火を交える一方、超戦艦である大和と武蔵にも動きがあります。
この動き・・・メンタルモデルであるが故の言動だったと思います。
違いは変化を望んだ大和と拒んだ武蔵・・・
本来であればこの違いは望ましい・・・と考えるべきなんだと思います。
異なる意見をぶつけて、そこから真実を導き出す・・・我々にとっての常套手段です。
でも、「霧の艦隊」となると話は別です。
彼らは変化を「悪」としてましたから・・・
この違いが巻き起こす動き・・・気になる方は是非本編でご確認頂きたいと思います。

一方で「霧の艦隊」が「人間」を制圧しようとする動きも活発化してきます。
そんな中、群像は総旗艦代理である武蔵との対話を試みようと動き出す事で・・・戦いの火蓋が切って落とされるのです。

ここから先は実際に映像と音声でお楽しみ頂くべきと思いますが、集大成という名に恥じない展開だったと思います。
やっぱり戦艦同士の戦いはアツい・・・迫力が半端無い・・・とにかく面白いの3点セットです^^

群像に合わせて動き出したのがタカオとヒュウガ・・・このタカオの群像に対する思いも相変わらずでGood!
学校での一幕には彼女の持つ可愛らしさを感じさせてくれます。
でも、タカオが本領を発揮するのは群像に頼まれたお使い・・・これだけ群像の狙い通り忠実に遂行できるのはタカオならではでしょう・・・

群像らに手を貸すのはタカオとヒュウガだけではありません。
刑部蒔絵率いるハルナとキリシマも参戦します。
もともと戦艦級である二人がタッグを組む・・・
このタッグは今に始まった話ではありませんが、ハルナとキリシマの融合した船体はお初にお目にかかるように思います。
そんな新たな艦で戦艦級の活躍が思う存分堪能できる・・・そんな感じです。

そして群像らの援軍は・・・ここから先が気になる方は、是非本編でご確認頂ければと思います。

戦艦同士のバチバチ・・・
この作品はこれだけでは終わりませんでした。
何か・・・物語の原点に帰ったような気がします。

自分の存在理由・・・
幾つかありますが必要だと認めて貰う事・・・
でも、それがが自分の思い描いていた理由と異なっていたら・・・^^;?

自我の覚醒・・・
自分が他人ではなく自分であると気付く事・・・
それじゃ自分が自分じゃ無くなってしまったら・・・^^;?

そもそもこんな有り得ない自問自答に何の意味が・・・^^;?
きっとこんな自問自答の先にしか答えが見いだせなかったから、終盤の展開に感動し涙したんだと思います。

約1時間45分程度の作品ですが、時間の経過があっという間に感じられるほどのめり込める作品です。
気になるのは今後の展開です・・・何より群像の最後の一言が気になります。
きっと想像通りの結末で間違い無いとは思いますが原作は未だ連載中の様ですし・・・
何が起きるかは分かりませんよね。
そんな奇跡が起こってくれることを期待しています^^

投稿 : 2024/10/05
♥ : 22
ネタバレ

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

カメオが意味するもの、それはコピーじゃない、自分自身。

アルペジオCadenzaでロシアの港町で群像さまがイオナに買ってあげたもの、あにこれの男性はご存知かどうかわからなかったので気になって書いてます。これをご存知の男性の方はとっても素敵だと思います。群像さまがイオナに買ってあげたもの、それは単なるブローチではなく {netabare} 、カメオです。

カメオの説明のwikiです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%82%AA

私もそうですが、光るプレゼントを頂くと、きれいですし、とっても嬉しいです。でも、カメオの場合、私の気持ちとしてはちょっと違う。奥深い感じ。カメオはもともと、ローマとかギリシャの時代は、ハンコのような役割をもってて自分の分身というものでした。それにカメオは偽造されないようにとっても細やかに作られていて、きれいで芸術性もあるけど、それが本当じゃなくて、本来は自分自身を証明するもの、コードとか認証とか暗号とか、そういったものだったようなんです。群像さまが最初にイオナに出会った時、イオナは群像さまのコードがわかって動いたけど、今回、群像さまが自分でカメオをイオナに買ってあげたことで、それがとても強く感じました。でも、イオナはヤマトの偽物だと思ったときから、カメオを着けていませんでした。大事なものを身に着けないって、とっても悲しいこと・・・・。でも、ラストシーンで、イオナはコンゴウとのふれあいで、ヤマトという人格じゃない、ヤマトに託された自分自身、イオナはイオナなんだとわかって、最後にカメオを身につける。でも、結局、別れの時だったんですよね、その意味を私が理解した時って。
イオナが自分自身がわかったのに、消えていくなんて、あまりに悲しすぎて、つらくて・・・

この作品で、群像さまがカメオを買ってあげるシーン、私にとってすごく重くて、 {/netabare}このシーンはアルペジオCadenzaではとってもささやかなんだけど、重要なシーンだったと思います。


これまでのレビューです。


●2015.11.14 01:14 イオナ、あなたは・・・・

今日、お仕事が終わったあとにレイトショー、見てきました。

私、前回見た時はラストシーンでイオナが{netabare}艦長の前に戻ってきたんだと思ったんですけど、今日観た感想は・・・悲しいけど、イオナの魂だけが帰ってきたみたい・・・・。そう見えたんです。そう感じた途端、{/netabare} 艦長どうして笑っていられるの? どうしてお帰りって言えるの? 

悲しくて、でも素敵な作品だったと思います。

最後のnanoさんの歌、ほんとうに素敵でした。

でも、これでアルペジオは終わるのかと思うと、とても寂しいですね。

●2015.11.03 16:55
人間よりもなんて素敵なの、メンタルモデルって・・

アルペジオCadenza、見てきました。もう、涙があふれ出てしまって、最後のほうは、もう耐えられなくなって・・・・

ひどいよ・・・予告編やアルペジオのHPではCadenzaでnanoさんの曲が使われるなんて全然書かれていなくって、がっかりしてたんだけど、それがCadenzaのラストで、あんな素敵なnanoさんの曲が流れるなんて、もう、反則だよ・・・・
{netabare}

群像さまのおとうさん、心変わりしたんじゃなくてよかった。
ヤマトとの会話してるシーン、群像さまがタカオやハルナ、キリシマ、ヒュウガたちとお話ししているのと同じ雰囲気で素敵でした。結局、人類との戦いを混乱させたのは、群像さまのお父さんの暗殺だったのがすごい衝撃で、それでムサシにあんな行動をとらせたんですよね。ムサシの気持ち、とってもよく分かって、悲しかった。それにヤマトって、優しくって素敵。だからイオナが生まれたんだよね。
ヤマトとムサシのシーン、とっても悲しくって、見ていられなかった。人間と同じだよね。いえ、人間よりも純粋かも。メンタルモデルのほうが人間よりもとっても素敵に思えてしまう。

コンゴウとイオナのシーンも感動しました。TV版の最終回とは立場が逆転していて、でもコンゴウがイオナを励ます場面、とても自然でした。この時のコンゴウ、とてもきれいでした。

そして、イオナ、きれいでした。ラストは特に。それとロシアの街のシーンもすてき。特に群像さまがイオナにカメオを買ってあげるシーン、大好きです。そして、nanoさんの歌とともに消えていくイオナ、群像さまの絶叫。あの絶叫が、nanoさんの歌が、いまだに耳から離れません。

群像さま、ご両親のお墓の前で、再会できたのでしょうか。

あれ、なんかこのシュチュエーション、「結城優奈は勇者である」に似てなくもないかも。{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 55

72.0 4 喧嘩で姉妹なアニメランキング4位
苺ましまろ(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (847)
3842人が棚に入れました
短大生の伸恵を中心に、その妹の千佳、その幼馴染の美羽、ご近所の茉莉。彼女たちはごく普通な、でもちょっとだけユニークな毎日を送っています。
ある日、いつもどおり、千佳の部屋にみんなが集合すると、伸恵は千佳や美羽、茉莉の写真を携帯で撮り始める。「明日は何の日だ?」という伸恵だが三人には何のことだかわからない。
すると伸江は興味のないように出かけてしまう。千佳、茉莉と公園で遊んでいるうちに、美羽が明日が伸恵の誕生日であることを思い出す。誕生日プレゼントに手作りの灰皿とメッセージカードを送ろうと、作り始める3人だったが…?

声優・キャラクター
生天目仁美、千葉紗子、折笠富美子、川澄綾子、能登麻美子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

かわいいは正義、の元ネタのアニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
女子小学生を主役にした日常系アニメ。絵柄はロリコンホイホイ感があるけど、エロい描写はあまりなく、ギャグはなかなかにシュールでレベルが高く、最後まで楽しく観られた。

ギャグだけなら「みなみけ」っぽくもあるけど、全体の作風は、今期(2018冬)の「三ツ星カラーズ」が最も近いと思います。

絵は、当時(2005年)としてはかなり綺麗だし、良い意味でシンプルなので、今観ても違和感はありません。レビュタイにある通り、ある意味では記念碑的な作品でもあるので、アニメ好きなら一度視聴しておくのも良いかと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
このアニメを観ると、「かわいいは正義」を、誤用していたな~とも思いました。なんか、「美人は何しても許される」みたいな使い方もしていましたが、本来は、「beautiful」より「pretty」。例えば、「赤ちゃんなら何しても許される」みたいな考え方なんですね。作風的に。

本作の主人公は、小学5~6年生の4人の女の子ですが、行動その他は、むしろ3~4年生くらいかな~と思います。彼女らは、わりと辛辣なことを言ったりイタズラをしたりもしますが、基本、「かわいいは正義」なので、許されちゃいます(笑) それを許す大人の代表として、女子大生(原作では女子高生)の伊藤伸恵がいます。

基本はこの5人による日常系、まったりシュール系のギャグですね。エロい描写はほぼないので、ロリ苦手の私でもなんとか観られましたが、、、まあ、気恥ずかしくはなりますね、オッサンなので(汗)

キャラとしては、トラブルメーカーの松岡美羽の多種多様なボケっぷりと、外国人に憧れる外国人、アナのすっとんきょうな行動が良かった印象です。

このアニメ、伸恵の視点で観るのが正解なのでしょうね。伸恵は、例えるなら「小林さんちのメイドラゴン」の「小林さん」。美羽が「トール」。そんな感じで愛でられれば、楽しめるアニメでしょう。

唯一気になったのは、担任の先生が笹塚に対する態度(立ってろ)かな。最終話でやりかえしたものの、ネタだとしても気分が悪かったです。というか、あれを面白いと思って何度も繰り返していたのでしょうか? かわいくないし、不正義でしたよ。
{/netabare}

【余談~ かわいい の語源 ~】
{netabare}
かわいいは、元は「不憫だ」「気の毒だ」といった意味を表す語で、その意味を受け継いでいる言葉には「かわいそう」がある。 かわいいは「かはゆし(かわゆし)」の形で中古から見え、「かほはゆし(顔映ゆし)」→「かははゆし」→「かはゆし」という変化をした語と考えられている。

てなことで、「かわいい」=「かわいそう」なので、現在でも「かわいい」に「守ってあげたい」というニュアンスが含まれるのは、この流れをくんでいるからです(子供や動物はもとより、ゆるキャラとかもそうだよね)。

よって、「かわいい」には、(キツイ言い方をすれば)「見下す」というニュアンスが含まれ、基本的には「自分より目下」に使う語です。実際、年上(たとえばオッサン)に「かわいい」と言うとき、冷静に考えれば、「小バカにする」「ちょっとイジる」気持ちが含まれていませんか? 本当に尊敬する人に「かわいい」を使いますか? (だから、女子同士の「美人」に比べ、「かわいい」は、やや信用できないのです)w

てなことを、学生の時に講義で聞いた気がします(笑)

だから、本当は「美人」に「かわいい」を使うのは誤用だし、良くないと思うんですよね。「容姿端麗」なのに「かわいい」によって、やや「謙虚さ」や「か弱さ」まで演出されたら、無敵じゃないですかw 普通に、「美人」「容姿が整っている」と表現することで、性格、性質面はカバーされないので、少しフェアになる気がします(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
良い話ではあるが、小6というより、小3くらいだな。携帯やコンポに時代を感じる。タバコが普通にOKな時代だね。

2話目
外国人なのに、無理に(片言なのに)英語を話そうとするキャラってのは面白いね。廊下に立ってろって、今は体罰らしいね。授業を受ける権利を奪っているとか。先生、笹塚君に対していじめだろ(汗)

3話目
アナの弱メンタルが面白かった。美羽、流石にちょっとヒドイかな。

4話目
ヤキモチ妬いてるわけね。まあ分かるが、アナに対しての意地悪は、正義と言えるかな? 伸恵もまあ、信頼ゆえなんだろうけど、美羽もやや可愛そう。伸恵は、小林さんポジション(笑)?

5話目
昔、合宿で「笑ってはいけない」をやったけど、あれって妙に笑えるんだよねw ところてん→どこがやねん、を引き出したかったのかな? 今までで一番シンプルに笑えたw

6話目
暑い部屋の話。やや、作者(か、監督)のフェチを感じる。オチはちょっと笑ったw

7話目


8話目
夏祭り回。美羽は相変わらず飛ばしてたなw 輪投げ(笑)

9話目
ダイエット回。若いときはそうは思えないと思うけど、大人になれば、ホントに、ガリガリに細い人よりは、少しポッチャリしている方が好きになりますよ、大抵の男は。

10話目
冒頭、セリフなしでここまで魅せるか。感心。

11話目
ツッコミ回(笑) すごいよマサルさん の、フーミンのツッコミ回は最高だったな(笑) ダイエット回の伏線が生きてるねw アナ、相撲ファン(笑) 風呂で屁をここうが、かわいいは正義だから許されるのですw

12話目
よし、笹塚君、よくやり返した!
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 28

さく太郎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

『舌のさきが口蓋を三歩進んで、三歩目に軽く歯にあたる。ロ・リー・タ。』  ~あるいは私が幼児愛好者かもしれないごくわずかな可能性について

 このアニメを評価するのはとても難しい。作画はまったく良くないし、音楽もそこそこ優れてはいるが特筆するほどではないし、ストーリーにいたっては評価いぜんにそもそも存在すらしない。
 だいたいの作品は山場、見せ場、メリハリなどが求められるが、そういった筋らしいものはない。特に何もせず、だらだらとすごしているキャラクターがたまにシュールなギャグをくりだす……、それだけだ。いったいこれは何なのだろう……と頭を悩ませているうちに終わってしまう。
 本作を見ない理由はいくらでも語ることができる。これ以外にいくつも挙げることはできるだろう。
 しかしそうはいっても、見るに値する理由も一つくらいは言える。

 “キャラクターたちが最高に可愛い”のだ。
 
 そう、この作品はもっとも洗練された萌えアニメの一つだ。これに異を唱える人がいるとすれば理由はただ一つ、『苺ましまろ』をまだ見たことがないのだ。

 最近はヌルヌル作画だの怒涛の神プロットだの社会性だの批評性だの税金の値上げだの脂肪分ゼロパーセントだの移民受け入れだのなんだのといろいろな注文があるが、この作品にいたってはそんなものはおかまいなしだ。
『苺ましまろ』とは、そういったわずらわしさに、満面の笑みで「さよなら」を言うアニメなのだ。
 頭を使って見れば「で、けっきょく何が言いたいんだ?」と疑問が残ったままエンドロールを迎えることになる。しかし、少し発想を変えて、ぼーっと空気感のようなものを楽しめばいい。
 佐藤卓哉監督も「展開も構図とも、なるべくオーバーな表現を避けて、原作のミニマルな感触を大事にしたかった」と語っている。
これといった物語がないまま、可愛らしいキャラクターたちが日常をおくる、それこそが本作の唯一かつ最大の魅力なのだ。
 あなたが可愛いキャラクターに癒されたいと思っているのなら、この作品は天にも昇るような至福の時間を与えてくれるだろう。
 なぜこんなにもキャラクターたちが魅力的なのか。さまざまな分析を試みてもそれは難しいことだったが、ディスクの盤面にクラックコカインが仕込まれているのはまず間違いないだろうと思われた。


 キャラクターの話をしよう。アナ・コッポラはたいへん魅力的で気に入っている。いかにも幼いころから味噌汁をすすり、畳の上をはいずりまわって育ったにちがいない自称イギリス人という設定が私の心をとらえて離さない。
 しかしそれ以上に、松岡美羽はパーフェクトだ。彼女は、子供がもつ自由奔放な無邪気さと、作劇構成上必要なトラブルメーカー的性質とを、絶妙なバランスで併せ持っている。これは驚嘆に値する。何よりも“うざ可愛い”という表現がこれほどまでに似合うキャラクターを私は知らない。声優の折笠富美子さんの演技にも賞賛を贈りたい。

 特筆すべきは各キャラクターの衣装の多さだ。どのキャラクターも、たった1クール(12話)のなかで16~20パターンもの服装をお披露目している(伸恵お姉ちゃんは少なめで13パターンくらい)。各キャラクターの服装に注目してみるのも楽しいだろう。意外にも、一番子供っぽい性格の美羽が一番オシャレだったりする。かといって嫌悪感のないオシャレさなのも好印象だ。
 私は小学生くらいの女の子が、ヘタクソで見るに耐えない分厚い化粧と、イオンで買ったような安っぽい派手なアクセサリーを身にまとい、必死に背伸びしている姿をみるとゾッとしてしまうが、彼女らにそういった変な気取りはみえない。
 変な気取りがみえないのは服装だけでなく、おそらくキャラクターデザインの段階で工夫がみられるからだろう。キャラクターデザイン&総作画監督の坂井久太氏は「線を少なく、かつ、アニメ体型にしないよう、ずん胴に」描くよう心がけたという。ここにも注目してみると楽しめるかもしれない。


 さて、本編意外の話もしよう。本作はいくつかのファンブックが発売されているが、そのどれもが満足できるクオリティではないので、ひとつたりとも買うことのないよう忠告しておこう。そもそもあんなものを買う人の気がしれない。どこがいいのか。これを読んでいるあなたには、純粋に作品だけを楽しむアニメファンでいてほしいと切に願う。余計な付属商品を買うなど言語道断だ。まったく嘆かわしい……。
 ……白状するが、私は『苺ましまろ完全ビジュアルブック』を買ってしまった。今でも書庫にあって、たまに楽しんでいる。


【総評】
 この苺ましまろという作品はきわめて紳士的な作品だ。まったく下品なところはなく、安心してゆったり、のんびりと視聴できる。少なくとも私に、ぎこちないながらもこんなに気取った文章を書かせるくらいには紳士的な作品だ。本当に気に入っている。愛らしいキャラクターに出会いたかったら、これほど適したアニメはないだろう。


 最後に、君にとっておきの魔法の言葉を教えてあげよう。きっと気に入ってくれるはずだ。舌が奏でる甘美な響きに酔いしれてくれたまえ。

『舌のさきが口蓋を三歩進んで、三歩目に軽く歯にあたる。ロ・リー・タ。』(ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』冒頭より)

投稿 : 2024/10/05
♥ : 17

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

かわいい幼女に会いたいなら、見てましまろ~♪

キャッチコピーは『かわいいは、正義!』

1話完結型の日常アニメです。

小学生の女の子たちの日常をほのぼのと見守る感じですね。

面白いとは言えませんが、
つまらなくもありませんでした。

キャラをどう受け入れるかで、
好みが大きく変わると思います。

全12話。


● ストーリー
短大生の伸恵(のぶえ)とその妹・千佳(ちか)、
そこに千佳の友達3人が加わって描かれる日常ストーリー。

千佳の部屋に集合して、今日は何をして遊ぼうかな?


メインキャラクターは、
◆千佳(ちか) :小6… しっかり者のツッコミ担当。
◆美羽(みう) :小6… 奇行が目立つムード-メーカ。ボケ担当。
◆茉莉(まつり):小5… いつもおどおどしている。心はとっても純真。
◆アナ    :小5… 日本の文化に詳しいイギリス人。
           英語を話せないのが悩み。
◆伸恵(のぶえ):短大生…保護者のように4人を見守る。中身はオヤジ。


みんな小5や小6には見えないです(笑)
幼女のような、ぷにぷに感のあるキャラデザはかわいいです。

伸恵お姉ちゃんは原作では高校生なのだとか。
でも飲酒も喫煙もするから、アニメでは短大生として登場しています。

そりゃ高校生がしれっと飲酒・喫煙してたら問題になるわな…w


いつも一緒の4人の仲の良さには百合要素が感じられますが、
小学生のいちゃこらなので、百合っぽく感じませんでした。

あくまで仲良しの「キャッキャッ♪」という印象。

『苺ましまろ』は女の子がメインだけど、
同様の雰囲気の男の子ver.があったら非常に私好みな気がする。笑

男の子のいちゃこらは微笑ましくてかわいいもんね。
そんなアニメ、あったら教えてください(笑)


● キャラクター
メインキャラは5人ですが、
キーパーソンとなるのは、みっちゃん(美羽)です。

お騒がせでやりたい放題、我が道を突き進む女の子。
彼女のわがままから物語が展開することがほとんどでした。

どんどんひどくなる暴走具合には楽しませてもらったけれど、
ファミレス回のような、人に迷惑をかけるような笑いは好きじゃなくて。

観ていてあまり気分の良くない笑いも多かったのが残念でした。
(先生と笹塚君とのやりとりなど。)

真顔でボケた発言をするところや、
それに対して何か言いたげな他の4人の“間”は好きだったんだけどね。


みっちゃんのことをどう受け入れるかで、
この作品を楽しめるかどうかが変わってくると思います。

私の場合、みっちゃんのことがそこまで好きになれなかったのが、
この作品を「面白かった!」と言えない一番の理由だと思っています。


● 音楽
【 OP「いちごコンプリート」/ 千佳(千葉紗子)・美羽(折笠富美子)
               茉莉(川澄綾子)・アナ(能登麻美子) 】

かわいらくて元気のいい曲♪

『“かわいい”なんてそんなこと 言っちゃダメです♪』

のフレーズが頭に残ります♪


【 ED「クラス・メイト」/ 折笠富美子 】

OPとは逆にしっとりとした曲。

EDは折笠さんが歌っていますが、みっちゃん感は全くありません。
なんだこのイメージと真逆な曲はwwwとびっくりしました。笑


OPもEDも曲としては普通かな。
嫌いではないけれど、好きというわけでもないです^^;


● まとめ
日常アニメですので、ほのぼのとした日常を、ほのぼのと見守る感じです。

このほのぼの感は嫌いではありませんでした。
ゆるーいテンポは、妙にクセになりますし。笑

12話観終えるとキャラに愛着もわきます。

なので、なんだかんだ続編のOVAも気になっています。

……あれ?
自分が思っている以上に楽しめていたのかもしれないww

投稿 : 2024/10/05
♥ : 21

75.3 5 喧嘩で姉妹なアニメランキング5位
機動戦士ガンダムSEED DESTINY[シードデスティニー](TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1315)
6569人が棚に入れました
舞台は前作『機動戦士ガンダムSEED』での第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦(コズミック・イラ71年)から2年後。
プラント最高評議会議長 ギルバート・デュランダルとの非公式会見の為、新造艦ミネルバの進水式の準備が進むアーモリーワンを訪れたカガリとアスラン。
だがその最中、ザフト軍が開発した新型MS(モビルスーツ) カオス、ガイア、アビスが何者かに強奪され、周囲は混乱に陥る。これを阻止すべく、ミネルバからも新型機インパルスが出撃。そのパイロットは、プラントに渡り、エリートとしてザフト軍に入隊したシン・アスカであった。
新型機を強奪した謎の部隊を追い、ミネルバは出撃するが混乱の中、安定軌道にあったはずのユニウスセブンが地球に落下し始めたという報せが入る。それはナチュラルへの憎しみを募らせ続けるザフト軍脱走兵達の仕組んだもので、この事件を利用しようとする者達も動き始め、世界は再び混乱と戦火に包まれるのだった…。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

“愚行の自由”と“パターナリズム”の相克を描いた良作かも?

HDリマスターになって作画が良くなっただけでなく、評判の悪かった一部シナリオが手直しされて見易くなったようです。

◆予(あらかじ)め本作の難点を述べておくと・・・

①ヒロインのひとりカガリ・ユラ・アスハが、
{netabare}一国の指導者であるにも関わらず、ひたす幼稚な感情論ばっかり振り回して、周囲の人たち(とくに自分の国の軍人たち)を無駄に戸惑わせ、犠牲者を次々生み出してしまう{/netabare}、見るに忍びないお馬鹿キャラである。

②キラ&アスランに次く第三のSEED発動者シン・アスカが、
{netabare}度を越した逆ギレ凶暴キャラ{/netabare}で、ときどき見ていて胸糞悪くなる。

・・・という2点がまず挙げられると思います。


◆逆に本作の良い点をいくつか挙げると・・・

①ガンダム・シリーズの中では相対的に敵が好人物で目的も確りしている。

無印ガンダムのジオン公国の指導者を始め、一般にガンダムシリーズの敵役たちは口では何か信念のようなことを唱えても実際のところは只の権勢欲に取りつかれ陰謀に走るクソキャラばっかり・・・という印象がありますが、
本作の敵役{netabare}デュランダル議長{/netabare}は高潔さが目立つ人物であり、むしろ{netabare}彼のその高潔な心情(愚かな人類への憐憫の情)から「ディスティニー・プラン」という、究極の“パターナリズム”が実現され個々の人々の“愚行の自由”が失われてしまう計画が導き出された{/netabare}、という点が本作の一つの見どころとなっています。

②前作『SEED』に引き続き、シナリオがドラマチックで先が気になる展開。

・・・ということで前作『機動戦士ガンダムSEED』が楽しめた方ならば、引き続き視聴をお薦めしたい作品です。


因みに、レビュータイトルに掲げた“パターナリズム”とは
--------------------------------------------------------------
(WIKIPEDIAよりコピー)
{netabare}パターナリズム(英: paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいう。
親が子供のためによかれと思ってすることから来ている。日本語では家族主義、温情主義、父権主義、中国語では家長式領導、溫情主義などと訳される。
語源はパトロンの語源となったラテン語の pater(パテル、父)である。{/netabare}
---------------------------------------------------------------
・・・ということで、こうしたパターナリズムが行き過ぎた社会では、人々の“愚行の自由”が大きく毀損されてしまいます。

そういう社会では、カガリ・ユラ・アスハやシン・アスカが犯したような愚行(※これは極端な例ですが)も起きないでしょうが、それで果たして人々は本当に幸福といえるのか?(多分「言えない」という方がほとんどでしょう)

⇒ポイントは「パターナリズムを行おうとする方も、その心情から言えば全くの善意からだった」ということで、まさに

「地獄への道は善意で舗装されている」
(イギリスの箴言:原文“The road to Hell is paved with good intentions.”)

ということを過不足なく描き出した点で、本作は意外にも個人的に見所のある作品、という感想になりました。
(そのため、本作の個人評価 ★ 4.1 と『SEED』の ☆ 3.7 よりもかなり高めの点数を付けました)。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
ガンダムシリーズ第1話恒例の極秘開発MS(新型ガンダム)強奪イベント回。
・第6話視聴終了時点
ガンダムシリーズ恒例のコロニー落とし&大気圏降下イベント回。またラクス&キラが登場。
・第12話視聴終了時点
母艦ミネルバの大ピンチに際して、シンに初めてSEED発動し無双の活躍をする回であるとともに、シンにインパルスのパイロットとしての適性があると予めデュランダル議長(※政治家になる以前は遺伝子解析の専門家だった)が見越していたことが示される回でもある→終盤のディスティニー計画への伏線。
・第14話視聴終了時点
この回からEDが「Life Goes On」に切り替わり、やっとテンション上がる曲に(さすがの梶浦由記・作曲){/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作          矢立肇、富野由悠季
監督          福田己津央
シリーズ構成      両澤千晶
脚本          両澤千晶、吉野弘幸、高橋ナツコ、大野木寛、兵頭一歩、森田繁、野村祐一
キャラクターデザイン  平井久司
メカニックデザイン   大河原邦男、山根公利
音楽          佐橋俊彦
アニメーション制作   サンライズ{/netabare}


◆パート別評価

(1) 第1~13話(PHASE-01~13) (13話) ★ 4.0
(2) 第14~25話(PHASE-15~25) (12話) ★ 4.0
(3) 第26~37話(PHASE-26~37) (12話) ★ 4.1
(4) 第38~49話(PHASE-38~50) (12話) ★ 4.2
(5) TV未放送話(FINAL PHASE)  (1話) ★ 4.2
-----------------------------------------------
  総合      (計49話+未放送1話) ★ 4.1


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


========== 機動戦士ガンダムSEED DESTINY (2004年10月-2005年10月) =========

  - - - - - - - - OP「ignited-イグナイテッド-」、ED「Reason」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話(PHASE-1) 怒れる瞳 ★ 地球連合軍のオーブ侵攻戦(シン・アスカの家族喪失)、停戦から2年後の世界、カガリ(オーブ代表)&デュランダル(ザフト議長)会談、ステラとシンの出遭い、新型G強奪事件(生体CPU)、インパルス出撃(シン搭乗)
第2話(PHASE-2) 戦いを呼ぶもの ☆ 続き(兵器工廠プラント・アーモリーワン内のMS戦)、連合軍の仮面の男(ネオ)、ザフト新造G母艦ミネルバ(MV)発進
第3話(PHASE-3) 予兆の砲火 ★ 生体CPU、シンの暴言、MVの不明艦「ボギーワン」追撃
第4話(PHASE-4) 星屑の戦場 ★ 「ボギーワン」vs.MV(タリア艦長)、MV轟沈の危機、アスランの機転、MV脱出 ※バトル回として〇 
第5話(PHASE-5) 癒えぬ傷跡 ☆ 廃棄プラント(ユニウス7)落下開始、ブルーコスモス(BC)の新盟主(ジブリール)、アスラン発進
第6話(PHASE-6) 世界の終わる時 ★ MV&ジュール隊のユニウス7破砕任務、所属不明部隊との戦闘、実行犯の叫び
第7話(PHASE-7) 混迷の大地 ☆ 破片落下・地上の大被害、MV地球到着、ブルーコスモス(BC)&デュランダル双方の謀略始動、シンの詰問
第8話(PHASE-8) ジャンクション ☆ カガリ帰国・MVオーブ入港、セイラン首相父子とカガリの齟齬、アスランの指輪・プラント行き、地球連合の共同声明(プラントへの最後通牒)
第9話(PHASE-9) 驕れる牙 ★ ジブリールの目的、開戦、連合軍の核攻撃失敗、アスラン&ラクス再会? ※大西洋連邦(=軍産複合体ロゴスに操られた米国)との描写あり×
第10話(PHASE-10) 父の呪縛 ★★ デュランダルのアスラン接近、アスランへの新型MS(セイバー)搭乗依頼、「ラクス」(ミーア)の一般市民への呼びかけ(歌姫を使ったプロパガンダ)、ミーラとアスランの晩餐
第11話(PHASE-11) 選びし道 ☆ オーブ中立放棄(大西洋連邦との同盟締結)への圧力、ザフトの「積極的自衛権」行使、アスラン墓参、MV出港、ユウナの結婚要求{/netabare}

  - - - - - - - - - - - - OP(変わらず)、ED「Result」 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第12話(PHASE-12) 血に染まる海 ★★ MVオーブ領海外追放、連合軍艦隊のMV包囲、シンSEED発動(インパルス無双)、アスランFAITH(特務隊)再任命・セイバー発進
第13話(PHASE-13) よみがえる翼 ★ ザフト特殊部隊のラクス別荘襲撃、フリーダム起動、キラSEED発動・フリーダム無双、ラクス暗殺計画失敗・ザフト兵自決{/netabare}

  - - - - - - - OP「PRIDE」、ED「Life Goes On〜ReMix2013」 - - - - - - -
{netabare}
第14話(PHASE-14) 明日への出航 ★ カガリからキラへの手紙、アークエンジェル(AE)発進、結婚式場のカガリ略奪、AEオーブ離脱
第15話(PHASE-15) 戦場への帰還 ★ アスラン機オーブ入国拒絶・ザフト艦MV着艦、タリアFAITH任命、地球連合第81独立機動群(ファントムペイン)
第16話(PHASE-16) インド洋の死闘 ★★ ファントムペインvs.アスラン&シン、ニーラゴンゴ轟沈、シンの難民キャンプ解放
第17話(PHASE-17) 戦士の条件 ☆ AEスカンジナジア王国潜伏、MVマハムール基地(ペルシャ湾)到着
第18話(PHASE-18) ローエングリンを討て! ☆ MVの地球連合スエズ基地制圧任務、アスランの作戦指揮、シン大戦果
第19話(PHASE-19) 見えない真実 ☆ MV黒海ディオキア・ザフト軍基地入港、ミーア&デュランダル到着 ※「軍産複合体が戦争の元凶」とする場違い感のある話が・・・
第20話(PHASE-20) PAST × シンの回想の形をとったSEED, SEED DESTINY含めた総集編(見なくてよい回) 
第21話(PHASE-21) さまよう眸(ひとみ) ★ トンデモ・ミーア、もう一人のFAITH(ハイネ)MV配属、シンとステラの出遭い(実は再会)、CPU隊との接触
第22話(PHASE-22) 蒼天の剣 ☆ オーブ艦タケミカズチ発進、地球軍の黒海侵攻作戦、MVオーブ艦砲撃寸前のフリーダム(キラ)出現
第23話(PHASE-23) 戦火の蔭 ★ AEの介入、カガリの停戦要求、ユウナの拒絶、混戦、ハイネ戦死 ※脚本ごちゃごちゃし過ぎ(三つ巴バトルが支離滅裂)×
第24話(PHASE-24) すれ違う視線 ☆ アスランとミリアリアの再会、アスランとカガリ・キラの再会、デュランダル議長への疑念、レイの異常{/netabare} 

  - - - - - - - - - - OP「僕たちの行方」、ED(変わらず) - - - - - - - - -
{netabare}
第25話(PHASE-25) 罪の在処 ★ アスランとキラ・カガリのすれ違う思い、ロドニアのラボ(地球軍の秘密発覚)、ステラ単騎突入・シンとの遭遇戦{/netabare} 

  - - - - - - - - OP(変わらず)、ED「I Wanna Go To Place」 - - - - - - -
{netabare}
第26話(PHASE-26) 約束 ★ シンのステラMV搬入(エクステンデット)、ラクス(本物)プラントへ出発
第27話(PHASE-27) 届かぬ想い ☆ クレタ島沖海戦(オーブvs.MV、MV苦戦、ミリアリアのAE復帰、キラ&カガリ発進)
第28話(PHASE-28) 残る命散る命 ★ 続き(再度フリーダムの介入、カガリとオーブ軍の苦悩、アウル戦死、セイバー空中分解、再びシン無双、タケミカズチ轟沈・トダカ艦長戦死) ※カガリ&キラ(AE側)の思考・行動が支離滅裂で現場に無用な混乱を招いているだけにしか見えない点が× ※ED「tears 〜ReMix2013」
第29話(PHASE-29) FATES ☆ デュランダル議長の回想(クルーゼ&レイ、タリアとの関わり等)と自問自答・決意 ※過去シーンの使い回し過多は×
第30話(PHASE-30) 刹那の夢 ★ アマギ副長以下オーブ兵のAE合流、ステラ救命(シンからネオへ、レイの幇助)
第31話(PHASE-31) 明けない夜 ★ シン&レイ営巣送り、地球連合の中欧侵攻(新型巨大MAデストロイ(ステラ再出撃)、ベルリン市街炎上)
第32話(PHASE-32) ステラ ★ 続き(AE&フリーダム介入、シン来援、ネオ機撃墜(キラ)、デストロイ暴走・破壊(キラ)、シンの腕の中でステラ死亡) ※見せ場だが脚本がごちゃごちゃし過ぎな点は×、ED「深海の孤独 〜ReTracks」
第33話(PHASE-33) 示される世界 ★ 最強フリーダム(キラ)への憎悪(シン)、ネオ身柄拘束(AE)、デュランダル議長会見(真の敵=軍産複合体ロゴス撃滅宣言)・世論掌握 ※ネオの正体が無理筋×
第34話(PHASE-34) 悪夢 ★★ ザフトのAE包囲戦(エンジェルダウン作戦)、MV参戦・AEへの降伏勧告、AE降伏拒絶・轟沈の危機、シンの猛攻・フリーダム撃破
第35話(PHASE-35) 混沌の先に ☆ AE脱出、アスランのシンへの怒り、デュランダル議長の策略進行、MVジブラルタル入港・最新鋭機(ディスティニー(シン)、レジェンド)
第36話(PHASE-36) アスラン脱走 ★ 反ロゴス派の議長着参、アスランと議長の決裂、ミーア&メイリンのアスラン逃亡幇助 
第37話(PHASE-37) 雷鳴の闇 ★ アスラン追跡戦(レイ、シン)・アスラン&メイリン機撃墜、ロゴス派連合軍最高司令部(ヘブンズベース(HB))への最後通告{/netabare}

  - OP「vestige -ヴェスティージ-」、ED「君は僕に似ている〜ReMix2013」 -
{netabare}
第38話(PHASE-38) 新しき旗 ★ HB攻防戦、AEに救出されていたアスラン&メイリン、シン無双、スティング戦死、ジブリール逃亡、HB降伏
第39話(PHASE-39) 天空のキラ ★ ラクス秘密基地への敵襲、AEのエターナル救出戦、最新鋭機ストライクフリーダム出撃・キラ無双
第40話(PHASE-40) 黄金の意志 ☆ シン&レイFAITH任命、ザフトのオーブ侵攻、アカツキ発進・カガリのオーブ軍掌握、シンFAITH権限で出撃・カガリとの激突 ※脚本やや安直
第41話(PHASE-42) 自由と正義と ★ ラミアスのネオ解放・参戦、キラ機降下、シンvs.キラ再戦、AEvs.MV、最新鋭機インフィニットジャスティス発進(アスランの選択) ※脚本のごちゃごちゃさは×、ED「遠雷 〜遠くにある明かり〜」
第42話(PHASE-43) 反撃の声 ★★ アスランのシン説得失敗、ジブリール再逃亡(月へ)、ザフト軍撤退、ミーア(替え玉歌姫)を利用するデュランダルの情報宣伝戦にラクスの反撃開始
第43話(PHASE-44) 二人のラクス ★ 続き、全方位戦略砲レクイエム発射(ジブリール)・ザフト首都周辺モジュール壊滅、デュランダル議長の目的判明(ディスティニー計画)
第44話(PHASE-45) 変革の序曲 ★ MVの地球連合ダイダロス基地強襲、ジブリール死亡・ロゴス壊滅、AEオーブ出航・月面へ
第45話(PHASE-46) 真実の歌 ★ 月面中立コロニー(コペルニクス)、ミーアからの救助要請、罠、ミーア死亡 ※作画乱れは×
第46話(PHASE-47) ミーア ☆ 日記を通して彼女の心の推移を描き出す回、ラストにデスティニー計画導入・実行宣言(デュランダル議長) ※作画使いまわし過多×
第47話(PHASE-48) 新世界へ ☆ 各国・各人の動揺・困惑、オーブの拒否、レイの真意吐露、連合軍アルザッヘル基地破壊(大量破壊兵器レクイエム)
第48話(PHASE-49) レイ ★ 中継基地(ステーションワン)攻撃(AE&エターナル)、MV隊との対決、フラガ記憶回復、大量破壊兵器ネオジェネシス発射
第49話(PHASE-50) 最後の力 ★ 最終決戦(デュランダルvs.ラクス、AEvs.MV、キラvs,レイ、アスランvs.シン、レイ機&シン機撃墜) ※脚本のごちゃごちゃさは残念×
第50話(FINAL-PHASE) 選ばれた未来 ★ 続き(宇宙要塞メサイア(ザフト本部)陥落、デュランダル/タリア/レイ死亡、停戦)、その後の世界{/netabare}
-------------------------------------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)28、☆(並回)16、×(疑問回)1 ※個人評価 ★ 4.1

投稿 : 2024/10/05
♥ : 12
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

廻る廻るデスティニー(劇場版での解答を受け加筆、評価上方修正)

(初回投稿2019.11.25)
前回レビュー時、私は本作は混沌としていて折り合いを欠いた。
デュランダル議長の正論をキラたちが具体的な対案もなく否定し世界の行く末もまた混沌としている。
ただし、新作劇場版の出来次第で評価は変わって来るとしました。


で、劇場版『FREEDOM』での解答を受けて。

デュランダルの提唱した「デスティニープラン」は合理的だが、
人間には非合理な面が多々あり、それらを織り込めないプランには欠陥がある。
『DESTINY』でもおぼろげながらも示された反論が、
『FREEDOM』で反復されより強固になりました。


『FREEDOM』では特に愛は不合理だがかけがえのない物という主張がより明快でした。

『DESTINY』でも政治をチェスのように操るデュランダル議長が、
コーディネーターは第3世代を生み出せないという遺伝子不適合により、
恋仲だったタリアとは思うように結ばれなかった。
運命をも管理するプランを構想する議長が自らの運命を悔恨する皮肉を示唆する回想シーンが繰り返し提供され、
合理的な計画にも管理できない部分があるイメージ共有はなされてはいましたが不完全だった印象。

一方『FREEDOM』では不合理な愛すらも各々が与えられた役割を成すプランの必要性に応じて、合理的に管理されるべきとの主張に対し{netabare}ラクスから「必要だから愛するのではありません。愛しているから必要なのです」{/netabare}などとより明確な反論が示されました。


何より『FREEDOM』で花開いたキャラたちのお祭り騒ぎ。
『DESTINY』で奔放なキャラたちの言動に合理的なデスティニープランや作品を壊されたとの私の悪印象が、
『FREEDOM』では、不合理な人間の運命を管理すると考える方が間違っていると180度転換。
大体、こんなラブとネタだらけの面白い連中、デスティニープランごときじゃ管理不可ですw
私もキラやラクスたちに観念させられたので、物語3.0点から4.0点に上方修正致します。

『FREEDOM』は『DESTINY』の混沌をも価値ある物として救済した素晴らしい劇場版でした。




以下、初回投稿分。


とにかく目が回る続編だったな~(苦笑)
と言う印象が私の中に残っている本作。


人は過ちを繰り返す。悲劇を繰り返さないためにも、
野放図に自由を与え続ける世界は変革が必要。

否、何度間違えても人は人として歩み続けるべきだ。


といった相克がテーマ。


これを反映してか、全編通じて、
既視感を引き起こす作画構成、演出も交えて
色んな運命の繰り返しが強調されます。

話題になった終盤の{netabare}前作主人公の主役奪回劇{/netabare}だけじゃない。
様々な登場人物が転生、復活を遂げる。
或いは空席になった人物の代役を担うためコピーを演じる。
その上で、各々が繰り返される過去や宿命に苦悩。
そこに差し出される“処方箋”は薬か?毒か?


この辺りの主題提示に止まれば、
まだ比較的無難な続編だったと思うのですが、
本作の場合は、ガンプラを売り続けるために何度も再生産される『ガンダム』?
といった業界等で繰り返される宿命をもメタフィクション的に投げかける、
“場外戦”まで仕掛けてしまった所がカオスw

元々『~SEED』自体が、ファーストガンダムの再構成を志向した面がありますが、
本作は、前作のヒットの繰り返しを担った続編であり、
加えて、かつてファーストガンダムの続編と言うプレッシャーを背負った
『Z』の再構成も意識した内容。

廻る運命でギュウギュウ詰めになったるつぼに、
強化人間の悲劇等の繰り返しまでもが加わり事態はいっそう混沌。


前作も元祖のメカニックから、
ガンダム、“木馬”、ハロなども拝借していましたが、
一方で、ジンとか四足歩行のバクゥとか個性的な量産機も活躍する、
ご新規さん開拓アニメでした。

ですが、本作に至っては、この無限廻転祭りに古参ファンも引きずり込むとばかりに、
ザフト特務隊FAITHに支給された専用ザク群を皮切りに、
「ザクとは違うんだよザクとは」とか、ジェットストリームアタック?とか、
CV.池田秀一さんとか……もはや見境がありませんw


放送当時もまた、エンタメ全体を覆うリメイクの嵐に対して、
これは停滞だとの批判が続いていましたが、
本作はこれらの批判に対して、コンテンツ全体でスクラムを組んで、
リサイクル、リバイバル、何が悪い?繰り返しながら進んでいくのが人間
と言わんばかりに開き直って喧嘩を売りに行っている感が伝わって来て、
私は目眩で頭がクラクラしましたw


正直、私にとっては、最後の最後まで折り合いに苦しみ、苦手意識を払拭できない作品でした。
けど今にして思えば、回し過ぎたコーヒーカップのような、
ハイテンションと乗り物酔いが入り混じった、
あのグルグルした感覚が何だか懐かしいですw


シナリオについては、繰り返す運命を詰め込み過ぎたのか?
終盤が駆け足になってしまった感じがしました。
加えて、私はラスボスが余りにも“正しすぎた”と思いました。


{netabare}『~SEED』の世界でも自由の代償により起こった戦乱で、
既に億単位の殺戮と大量破壊が起こっている。
多少、中世回帰と言われようが、暗黒時代と嘆かれようが、
自由を一時制限して、文明を一休みさせないと立ち行かないと私は思うんですよね……。
暫定措置としてのデスティニープランには一定の正当性があったと私は感じています。

できれば『~DESTINY』ではデュランダル議長のデスティニープランが完成し、
シンたちがキラたちに一端勝利を収め、理想の“新世界”が実現する。

間を置いて、劇場版完結編等で、問題点を露呈し始めたデスティニープランに対して
自由を求めるキラたち抵抗を描く。

といったシリーズ構成の方が良かったのかな?と私は思っています。


デュランダル議長の提唱に対して、反発した人たちが、その後の世界を率いていく訳ですが、
後日談を描いた特別編等を観ても、方向性は示されているものの、
具体的な対案はまだ見出せていない印象。{/netabare}


ただこの辺りの私の評価も、発表されたまま長らく放置されている、
新作続編劇場版の出来次第で、選択した未来次第で変わっていくのだと思います。

いや……流石に新作劇場版はもう無かったことになってるでしょw
と思われる方が大半だと思いますが、
2010年代になってもHDリマスターが繰り返される程度の需要はある本コンテンツ。
私は目を回しつつもw新作を待ち続けたいと思います。


よって本作についての私の評点、特に物語については、暫定評価となります。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 23

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オーブ海軍のトダカ一佐が地味に好きです∑(゚ロ゚〃)

■「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」という作品の位置づけってなんでしょうね?(*゚・゚)
「機動戦士ガンダムSEED」の続編に位置づけられている本作品「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」(以降DESTINY)は、前作を視聴していないとまったく楽しめない内容になってますね!
かなり酷評の多い本作品なのですけど、視聴者がどう捉えるかによって見方がだいぶ違ってくるような気がします。

たとえば、前作「SEED」と本作品の「DESTINY」を一つの作品の前編・後編と捉えて考えた場合、そんなに出来の悪い作品には思えないのです!
「宇宙世紀シリーズ」を手本にしたようなフローや演出に、キラ・アスラン・シンの3人を主軸のキャラクターとしてキャスティングすることで、必然的に多角的な心理描写や人間関係が展開・構築されるので、宇宙世紀の遺伝子を継承しつつもSEEDとしての個性の確立はなされたんじゃないかなって思ってます。
ただシンについては、「DESTINY」からの登場で一見主人公の様な扱いになってましたけど、最後まで過去に囚われ、自らの意思で戦いの大儀を見出すことが出来ずに、「DESTINY(運命)」に翻弄されてしまったキャラとして描かれていたような印象を受けたので、「SEED」シリーズとして考えた場合「サイドストーリーの中の主人公」でしかなかったような気がします♪

また、「DESTINY」を「SEED」の流れを汲んだ単体の作品と考えるなら、シンの扱いにはやっぱり疑問を抱かずにはいられないですね(/∇≦\)アチャ-!ミテランナイ
やっぱりいつまでも考え方が稚拙で成長のないキャラ設定は見ていて面白くないし、主人公と位置づけるにはちょっと無理がありますよね!
それにアークエンジェルのメンバー達はすでに「SEED」で自らの理念を確立しているので、「SEED」というタイトルを引継いでいるのならばどうしても比較対象としてみてしまうし、前作のキャラが出てくるのは嬉しいのですけど、「DESTINY」からの新キャラの個性を一部打ち消してしまっているようにも感じちゃいました(/□≦、)

■総評
個人的には「SEED」シリーズとして8クール分を一つの作品として捉えてます♪
ガンダムを見たって気持ちになれましたし、感動して(。>0<。)ビェェン ってなったシーンもいくつもあったし、楽しく最後まで観ることが出来ました(*´∇`*)
でも観て良かったなぁって思う反面まったく不満が無かった訳ではないのですよ∑('◇'*)エェッ!?

まず残念だったのは「DESTINY」の制作に対する作品へ注がれる愛情が「SEED」の時と明らかに違っているって作品からも伝わってきました・・・
とある「あにこれ」仲間から監督の福田さんと脚本家の両澤さんは夫婦だって聞いて知ったので色々調べてみると・・・
夫婦でやるのは良いけど、監督の迷言の数々を見てしまったら、ちょっとひどくないですかって思ってしまいましたw

デスティニープランに関する描写がうまく視聴者に伝わらなかったのは、自分が組んだ演出がスタッフやキャストに伝わらなかったから・・・(゚ロ゚;)エェッ!?
それって監督の仕事でしょ・・・(;´Д`)× ダァメ!ダァメ!
それに「劇場版では、TVシリーズのことは忘れてほしい」・・・∑( ̄ロ ̄|||)なんと!?
最終話でもバンク(動画の使いまわし)を多様しないといけないほど多忙で悲惨な現場にも関わらず、夫婦でラジオ番組の観覧って・・・認めちゃってるし・・・(;`O´)oコラー!
両澤さんの体調が悪くて作業が遅れるのは目をつむるとしても、プロとして作品に対する情熱をもっと持って欲しいところですね!
まぁどこまで本当かわからないのですけど、その後2人の仕事の功績がめっきり減ったというよりも殆ど無い所を見ると・・・

回想シーンやバンク技法は他の作品でも多く見受けられるのですけど、ここまで多用されると正直手抜きとしか思えなくなってしまいます。
それとオマージュ!?いやいやパクリでしょ!!って言われてもおかしくない演出の数々 o(*≧д≦)o″ンモォー!!
あっでも、過去の「宇宙世紀」シリーズを知ってる人ならそんな演出を見つけるのも楽しいかもしれませんねw
私もゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイって突っ込みながら呆れながらも楽しんでたかもしれません(・-・*)ヌフフ♪

また、キャラとして一番残念に思ったのはルナ・マリアでした!
とっても良い立ち位置だった彼女を見事に使いこなせず台無しにしてしまった印象です(>o<")
隠密行動で知ってしまった事実からストーリーをかき回してくれると期待してたのですけどね・・・
それと、ストーリー後半のルナとシンの関係はσ(-_-)ワタシには理解不能でした・・・

とまぁ不満は多いのですけど、のびしろが大きく感じられただけに本当にもったいないなぁって思っちゃうのです♪
SEEDを本気で愛することが出来るスタッフ達だけで本気でリメイクして欲しいなぁって思った作品でした!


2011.12.12・第一の手記

投稿 : 2024/10/05
♥ : 42

67.6 6 喧嘩で姉妹なアニメランキング6位
ViVid Strike!(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (242)
1280人が棚に入れました
孤児院で暮らす少女、フーカとリンネは、貧しい暮らしの中でも明るい未来を夢見て暮らしていた。
しかし数年後、リンネと離別して孤児院を出たフーカは苦しい生活の中で荒んだ暮らしを送っていた。
そんなある日、不良との喧嘩で負傷したフーカを救った少女がいた。
少女の名はアインハルト・ストラトス。挌闘競技選手である彼女との出会いが、フーカの運命を変えてゆく。

声優・キャラクター
水瀬いのり、小倉唯、水橋かおり、能登麻美子、上坂すみれ、喜多村英梨、福圓美里、伊藤かな恵、斎藤千和、佐倉綾音、阿澄佳奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

K-1 WORLD GP in ミッドチルダ

放送前、本作が『魔法少女リリカルなのは』の冠を外して
『Vivid Strike!』を名乗った時、
私は正直うまく行くのか半信半疑でした。

タイトルからして、魔法にも、なのはさんにも頼らない!
と豪語しているようなもの。
ですが、結局、貫けずにシリーズの遺産にすがり、
中途半端な萌えアニメでお茶を濁すのではないか?
そんな不安が捨てきれませんでした。

少しだけ期待してみようと思い始めたのは序盤。
ジムのサンドバックを殴る、
少女たちの本気(マジ)な打撃音を聞いた時でした。

当初は面白くなるか分からないけれど、
打撃音が気になるから見てしまう。
その内に容赦ない過去の描写などが入って来て、
引き込まれていった感じ。

よって音楽4点はBGMというより、
主に打撃音とあとは主題歌に対する評価です。


競技内容も終盤になれば砲撃手とか召喚士とかが乱入して来るかも?
と高をくくっていましたが、
むしろ終盤になるにつれ"総合格闘技”ルールすらも削ぎ落され、
より純度の高い"立ち技系格闘技”から、
さらにガチの殴り合いへと先鋭化。


ハマっていくうち、段々、私の中で、往年のK-1ワールドグランプリ全盛期の熱気が、
当時のプリンスのテーマ曲と共にフラッシュバックして来ましたw

特に {netabare}ヴィヴィオVSリンネ戦。
内容もさることながら、短期間にトーナメント戦を行う過密日程により、
試合後、勝者でも負傷したらトーナメントの先に進めず、
既に負けていた選手がリザーブとして次に補欠出場する。
大会主催者や視聴者が思い描いた決勝カードがなかなか実現しないw
そんな所までK-1っぽいのが個人的にツボでした(苦笑){/netabare}


なのはさんについても、
{netabare} 一部、エリート公務員との僻み?が言及されるだけで出番なし。{/netabare}
無事"親離れ”できたようです。


演出、構成面では回想の多用が特徴的でした。

近年、表現界には回想の濫用をくどいとする風潮があるそうで、
小説賞等でも応募作が回想しだすとウンザリされる流れがあるのだとか……。

本作はそんな空気もなんのその。
例えば、{netabare} ほぼ一話丸々回想する。殴り合いの最中も振り返りまくる。
挙げ句、決着は次回に持ち越しw{/netabare}
などコッテコテな回想多用アニメ。

過去の『なのは』シリーズでもしばしば過去が掘り起こされましたが、
それでもTVシリーズでは、盛り込みすぎたら胃もたれするかな?
と思った過去話、サブキャラエピソードはドラマCDやスピンオフ漫画等に回して、
バトルシーンに注力してバランスを取りにいったものでした。

本作の場合は、むしろ時に、多少、試合内容を省略してでも、
サブキャラまでもが、身の上話等を語り始める脂身の多さ。

私も終盤、流石にちょっとしつこいかも?と思ったこともありました。
ただ、本作の場合はそれ以上に、熱さや懐かしさも蘇って来ました。
思えば昭和のアニメでは、必殺技一発放つまでに、
各自回想で一話消費とか当たり前でしたw

この決着の前に語り尽くしたいことが山ほどあるんだ!
本気で拳をぶつけ合って、初めて打ち明けたくなる過去がある!想いがある!

細かい演出を斜に見る冷めたハートに、
熱い闘魂を強制注入された感じ。


本作は『なのは』を名乗りませんでしたが、
シリーズ原作の都築さんにも熱さが戻って来たことも確認でき、
来年夏の劇場版『なのは』3rdに向けて、予熱十分。

私はいつでも着火OKです♪

【四話感想】改めて本作の監督は西村純二さんです……。

長いので折りたたみw
{netabare}基本的にもう途中で各話感想を書く予定はありませんでしたが、
四話でなかなか壮絶ないじめ回、女の修羅場に殴られたので、
勢いでここで一筆。

元々『なのは』シリーズは絶望や不幸、馬鹿げた野心など、
美少女バトル物でありながら、人間の負の側面も容赦なく描いて来ました。
それらもみんな叩き壊す、或いは砲撃する勢いでぶつかり合った先に、感動があるコンテンツでした。

ただ、最近、原作者の都築さんに
長年、少女たちが傷付く様を描き続けた心の勤続疲労が見え隠れ……。

『DOG DAYS』で脳が蕩けるくらい凄い、
萌えキャラたちのほんわかバトルを催してみたり、

『なのは』スピンオフの『なのはINNOCENT』展開時には、
本作でまで、なのはたちが傷付くことはないだろうとの主旨の方針を語られてみたり……。

あぁ、昔のように全力全開で傷付いて、それを乗り越える筋書きを
都築さんが量産するのはしんどくなっているのかな?と私は憂慮していました。

本作でも最初、都築さんが『true tears』などの西村純二監督と組んだ時、
理由が分かりませんでしたが、四話の描写を見て、意図が見えてきた気がします。

西村監督は痛み、特に肉体的な痛み以上に、
精神攻撃による心の傷、喪失のダメージを表現して来たアニメ監督でもあります。

彼と一緒にもう一度、痛みと真正面から向き合ってみよう。
何かそんな都築さんの決意のようなものが見えた、
心身の色々な部分が痛むしんどい回でした。


これは終盤にかけて、涙腺をガードする必要もある作品なのかもしれません……。{/netabare}


【一話感想】西村純二監督×『なのは』シリーズの世界観

やはり、長いので折りたたみw
{netabare}
かつてはルール無用、リスク度外視、全力全開の砲撃をぶっ放し、
願いや友情をかけて激しくぶつかり合った
初期の『魔法少女リリカルなのは』シリーズ。

三期『StrikerS』にて、なのはさんとは違う物語を志向する中で、
秩序ある組織や管理社会を形成するルールの中で、術者の健康にも配慮しつつ、
その熱さをどう継承するか葛藤。

四期『ViVid』では、さらにルール運用が厳格な
スポーツ、格闘技大会の中で、魂の継承を試行。

そして、ついに“魔法少女”も“リリカル”の冠も消滅した本作では、
競技色をさらに強化していく模様。

ストーリーは{netabare} 喧嘩に明け暮れる、孤児の貧困少女。
(何故か広島弁wどうやって次元を越えてこの第一管理世界に伝播したのでしょうw)
彼女が競技格闘技のジムに拾われ、拳により、失われた友情などを取り戻しに行く……。
というボクシング物の王道プロットに『なのは』スピリッツの世代間継承を託す……。 {/netabare}

ある意味、拳で語り合って来た『なのは』シリーズの流れで言えばあり得る展開。
けど個人的に意外性があってソワソワするのが、
シリーズ通じて脚本を手がけてきた都築真紀さんが、
本作監督を託したのが西村純二さんだということ。

西村監督と言えば私の中では監督自身が脚本も手がけた
『true tears』や『グラスリップ』等のイメージが強く、
過去に格闘要素のあるアニメ監督も数多く務めているとは言え、
このシリーズの監督でどんな仕事をするのか、ちょっと想像が付きません。

但し、脚本・都築さんがキャラ同士のハートを衝突させた時、
監督・西村さんが修羅場を激化させることはあり得そうですが……。

初回から早速、後々起爆させると思しき伏線爆薬をせっせと仕掛けて、
激しい殴り合いの予感を漂わせています。

そんなはみ出しそうな女と女の魂のどつきあいを、
整った競技ルールとリングの中でどこまで弾けさせられるのか。

脚本力と監督力が問われ続けている、
ある種のジレンマを抱えたこのシリーズの行方を、
西村監督×都築さんの新コンビがどう導くのか。

……まさか、鶏は出て来ないとは思いますがw
この世界に拳で取り戻せる仁義はあるのか。
拳を握って見守りたいと思います♪{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

残された時間を燃焼しろ! そこにお前の命の輝きがあるんだ! ……今から、お前を殴る!!

「魔法少女リリカルなのは」シリーズの外伝?みたいなことかな? シリーズを観てないので、よくわからないです(汗)

[2016秋 個人内ランキング 9位]

《以下ネタバレ》

【各話感想】
{netabare}
第1話
なかなかシビアな冒頭。格闘技系のスポ根もの? やたらとオッドアイの人物多いけど、何の意味もなくオッドアイのキャラを出すアニメはあんまり好きくないな。ヴィヴィオの「アクセルスマッシュダブル」は、「はじめの一歩」「ヴォルグ・ザンギエフ」の「ホワイトファング」にしか見えないw

第2話
絵柄があれだけど、微エロには少し萌えたw 腹とかw フーカの1日を淡々と紹介しつつ、各キャラクターに触れていく感じはなかなか良かった。

第3話
リンネのトレーニングシーンは、しっかりと筋肉を見せたいって感じでしたね。第2話の寝ているフーカの腹の描写もそうだけど、制作にはなんらかの特殊なフェチを感じる(笑)

第4話
リンネ過去編。たまたま、「いじめ~いけにえの教室~」を観てレビューを書いた直後の視聴で、不思議とリンクした。ラストのリンネの暴行リベンジで胸がスッとしてしまった私は、いけない人間なのだろうか?

第5話
大分バイオレンスな回でした。魔法少女の要素、必要ですか?

第6話
ミウラに、分かりやすい死亡(負け)フラグがぁ……。バトルシーンの手抜きがヤバイ(笑)

第7話
アインハルトの1回戦、鳩尾への肘打ちからの延髄蹴りとか、リンネよりエグいんじゃ(苦笑) フリッカージャブって、やっぱり「はじめの一歩」に似ている気が(笑)

第8話
今井VS板垣 戦を観ているようだな。二人ともスマッシュ撃ってたな。ヴィヴィオのスイッチスタイルも、ランディー・ボーイ・ジュニアがやってたな。カウンター狙わず、判定勝ち狙えばヴィヴィオは普通に勝てたんじゃ? でもここでヴィヴィオを勝たせるとか、良い展開ですね!

第9話
やはりここでリンネを負けさせるとは、凡百の格闘アニメとは違いますね。もしかしたらリンネは、「格闘技を辞めるために、格闘技を続けていた」のかな? やたら熱血展開だ(笑)

第10話
殴り合いながらの過去を回想。どこの熱血バトルやねん(笑) 熱く、熱く、熱く!

第11話
意識が無くなりかけ、トレーナーの言葉とミットの位置だけが見えるって、やっぱり「はじめの一歩」じゃんw 怪我と才能の無さを努力と理論でカバーしてきたジルが、才能のあるリンネと出会い、新たな夢をみる。「あなたの強靭な体に、私の技術と理論の全てが乗って、あなたの全身の筋肉が完璧に連動した一撃を討てたのなら、その打撃に耐えられる人間なんていません。きっと神様だって倒せます。」という言葉は、胸熱だった。神様=運命、なんだと思う。私もたまに道場で子供の指導をするので、どうしてもジルに感情移入してしまうw 才能ある若者との出会いは、それだけで幸せだよね。

第12話
殴り合って、仲よくなった後の平和な世界。百合百合してたw 太腿のアップとか、やっぱり制作の妙なフェチを感じるw キャラとか知らない人も出てきてるし、前作(シリーズ)ファンへのサービスも兼ねてるのかな? 決勝は、観たい気もするけど、ここまできたらもう蛇足ですよね。コーチ二人の会話とか、深いこと言ってた。
{/netabare}

【視聴終了】
{netabare}
愛は奇跡を信じる力よ~♪ 孤独が心~閉じ込めても~♪

……ハッ! 仲良くして頂いている(と思ってる)天地人さんのレビューの入りに似ている(しかも平成生まれの方には伝わらない)w

絵柄と違い、ガチのバトルアニメでした。実はリリカルなのはシリーズは観たことがなく、これが初の視聴ですw 結論としては、かなり面白かったです。ストーリーにも重厚さがあり、意表をつく展開もあり、熱さもあり、悲しさもあり。

個人的には第4話が印象に残っています。人としてどうかとは思いますが、正直に言って、スカッとしてしまいました(汗)

4話以降は、ナカジマジムの面々とリンネを中心した話が多く、サブキャラもよく掘り下げられていると感じました。

一方、フーカは途中から空気になっていましたが、リンネとのラストバトルで面目躍如。この作品の主人公であることを証明してくれました。リンネの目の、心の曇りを晴らすために殴り合う姿は胸熱。ところどころ完璧に「はじめの一歩」だったのはまあ、ご愛敬ということでw

ただ私は、リンネとジルのコンビに一番心を奪われました。才能という壁に夢を阻まれたジルと、才能溢れるリンネとの出会い。ジルの「私の理論とあなたの才能が合えば、神様も倒せる」という言葉、じ~んときました。この場合、神様=運命(人生)、だと思います。ジルは自分の不甲斐ない格闘技人生を、リンネは大好きな祖父の死とその後に起こしていまった事件を、それぞれが呪っています。そんな自分の人生を吹き飛ばすような、強烈なアッパー。第4話以上に胸がスッキリしました。

リンネは強くなりたかったのではない。強くなったと思いたかっただけ。だから、形(ベルト)を欲した、というのは納得の出来る心情です。

リンネはこれまで誰とも試合をしてなかったのですね。だから、勝っても冷たい目をしていました。それは、リンネの戦う相手は常に弱い自分自身、弱い自分自身が起こしてしまった過去の出来事だから。そういう、いつまでも過去に立ち止まっている姿、誰のことも見ていないリンネを、フーカは許せませんでした。だから殴ったのです。涙を流しながら。ジャジャジャン、愛は奇跡を信じる力よ~♪(って、もう良いってw)

そんなリンネが、フーカとの殴り合いを通し、過去を払拭し、自分がどれだけ格闘技が好きなのかを自覚し、最後は青空の中で二人揃って倒れるシーンは、正に名シーン。フーカに勝てなかったからもうベルトには手は届かないのだけど、そんなのどうでも良いんですよね。リンネは自分が本当に欲しかったものを手に入れられたのだから。

最終回は、本当に色んなことに結末をつける、温かいものになっていました。ちょい役のキャラにもちゃんと後日談を用意しているとか、芸が細かい。

リリルカなのはシリーズ(というより外伝的な扱い?)は本作が初めての視聴でしたが、予想以上に楽しめました! 時間ができたら、一作目から全部観てみたいと思えました♪
{/netabare}

【総括】
絵柄とは違う、ガチの格闘アニメ。格闘技を観る、というより、そこに至るまでの経緯や、バトル中の心情の変化を楽しむアニメか。シリーズ未視聴だが、ここから入っても充分に楽しめた。他の作品も観たくなった♪

投稿 : 2024/10/05
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

フーカとリンネの投入で物語の熱さには拍車が掛かりましたけれど…

この作品は、私の中でどうにも異端の存在でした。
まずこの作品を視聴するには、「魔法少女リリカルなのはシリーズ」の第4期にあたる「魔法少女リリカルなのはViVid」を視聴しないと話についていけないと思います。

それでは「魔法少女リリカルなのはViVid」だけ視聴しておけば問題無いか…と問われると、答えは「No」…なぜなら4期に登場する人物を知るには3期の「魔法少女リリカルなのはStrikerS」を見ないと人となりが分かりません…こんな風に辿って行くと、つまりは1期から視聴するのが一番登場人物を理解できる事になる訳ですが正にその通りだと思います。

でもこれまで4期までを視聴してきた方には堪らない作品だと思います。
それは、今でこそ友達と一緒にストライクアーツに打ち込んでいるヴィヴィオが、どれだけ壮絶な日々を積み重ねてきたのか…幼いゆえに何も知らずただ翻弄され、激痛に歪むヴィヴィオを全身全霊で救い出した高町なのは…
ヴィヴィオの成長は、なのはママとフェイトママがこれまで積み上げてきた歴史そのもの…
だから主人公が高町なのはからヴィヴィオに移ってもそれほど違和感は感じませんでした。

でも主人公がなのはでもヴィヴィオでも無いとなると話は別です。
いくらシリーズの冠名を外したとしても、そこに脈々と流れるのは4期まで続いたなのはシリーズの血潮なんですよね…
もう少し前作までの繋がりを大切にして欲しかった…というのが本音です。

それともう一つ…放送の構成も違和感がありました。
この作品は4期から1年後という設定ですが、率直に疑問に思ったのは何故「魔法少女リリカルなのはViVid」の続編を先に放送しなかったのか…という事です。
確か4期はインターミドルの大会途中…ヴィヴィオとミウラの対戦前に終幕しましたが、この作品ではミウラはナマジマジムに移籍していますし…
この戦いの結果が素直に気になるところです。

それに4期のインターミドル大会で本作品に登場した選手も、この作品に多く登場するのですが誰が誰やら…というより、4期でハッキリ記憶に残らなったキャラも何の説明も無いまま外野スタンドで普通に応援しているですよね…
残念ながら負けてしまった選手は仕方ありませんが、少なくても勝った選手…というより、インターミドルを描いた後にこの作品を見る方が、色々とスンナリ頭に入ると思うんです。

少しこの作品を批判めいたレビューをしてしまいましたけれど…
実は秋アニメの中で放送が待ち遠しい作品の3本の指に入るくらい大好きな作品でした。
シリーズの冠名が無いとか、そんなのは全然関係無いくらい激アツな展開に何度痺れたことか…
これがいのすけと小倉さん効果と思うと「流石」の一言に尽きます。

いのすけ演じるフーカと小倉さん演じるリンネは幼い日を孤児院で共に暮らしました。
しばらくするとリンネはとある良家に貰われる事となり、二人は別々の道を歩く事になる訳ですが、どちらも順風満帆な人生が遅れた訳ではありませんでした。
そんな二人がストライクアーツで再び接点を持つようになり物語が動いていきます。

ジムで喧嘩の腕っぷしには自信のあったフーカの相手をしたのは、ヴィヴィオを初めとする「おちびちゃん4人衆」でした。
ここでフーカは出鼻を完全に挫かれ基礎の大切さを身を通して知る事となります。
フーカが強くなりたいのは、人が変わったように冷たい目をする様になったリンネを元に戻したいから…
でもその時リンネは、冷徹で残忍なまでの攻撃により快進撃を続けU15ワールドランク1位という手の届かない場所まで登りつめていたんです。

そんな中、満を持してウィンターカップが始まった訳ですが、こんなにも心が大きく揺さぶられる展開を目の当たりにするとは正直思っていませんでした。

リンネが最初に戦ったのは、抜剣と呼ばれる足技の使い手であるミウラでしたが、この戦いの結末には、次を視聴するのが本気で苦しくなる位に心が痛みました…

だってこの戦いの勝者の次の相手はヴィヴィオでしたから…
だから怖かったですけど、ヴィヴィオとの全力全開の一戦に臨んだ訳ですが、こんなに心が震えて号泣する展開が待っていてくれていたとは予想だにしませんでした。
多分、この回だけでも10回以上は視聴したと思います。

そして物語は本当の決着に駒を進めていきます…
物語の終わり方としてはこのシリーズ特有の良い終わり方…これはある程度予想していましたが、そこに至るまでの熱さは半端無かったと思います。
気になる方は是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、小倉唯さんの「Future Strike」
エンディングテーマは、いのすけの「Starry Wish」
どちらも作品にマッチした最高の曲だったと思います。
特に好きなのは物語の余韻を感じさせてくれるエンディングの入りの部分…
もちろん、どちらもカラオケで挑戦済で、間違いなく今期のアニソンBEST10に入る曲です。

1クール12話の作品でした。他にも例えばアギトとリインの姿恰好とか気になるところはたくさんあるのですが、それを差し引いても余りあるほど魅力ある作品だったと思います。
これで4期の続編が無くなったら悲しいですけれど…
次があるならシリーズの冠名を背負って貰えることを期待しています。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 28

61.9 7 喧嘩で姉妹なアニメランキング7位
天上天下(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (156)
981人が棚に入れました
百余年の歴史を持ち日本中の武道家の子弟が通う統道学園に最強のケンカ屋を目指す凪宗一郎とその相棒・ボブ牧原は入学する。
だが、気合や根性では太刀打ちできないツワモノたちの存在を知るのだった。凪とボブは柔剣部に入部し部長の棗真夜らと共に、学園を強大な力で支配する執行部に対し戦いを挑むのだった。
それはまた、数百年に渡り日本の武道界を裏で支配する謎のフィクサーとの時代を超えた因縁の対決の始まりでもあった。
血ぬられた宿命、叶わぬ想い、取り戻せぬ命。この戦いの最後の勝者とは…。

声優・キャラクター
保志総一朗、茅原実里、久川綾、三木眞一郎、関智一、森川智之、矢尾一樹

イトルタラ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

独自の世界観

対象は何でもいいからアニメを観たい人か、ヤンキー物?が好きな人向けですかね。まずストーリーが作者の趣味の寄せ集めでしかないので話の方向性が全く見えてきません。これに関しては個人的に全く興味を持てませんでした。しかしなぜか最後まで観てしまいました。ドラゴンボールの悟空みたく主人公が強さを探求している作品とも思えなくもありませんが、原作を読んでいる方の多くがこの作品の原作者である大暮維人氏の画力を評価していたので、アニメを観て気になった人は原作を手にとって漫画の絵で楽しむぐらいがちょうどいいと思います。主人公の硬派な態度もそうですが、女性キャラのセクシーさというのも魅力の一つなのかもしれません。一時期流行っていた取ってつけたような可愛さやエロさとは無縁で実に生々しく感じました。また、声優陣が池田秀一さん、関智一さんと豪華です。声優好きな人が観たら結構面白そうですね。展開がごちゃごちゃしていて意味不明なだけに好みははっきり別れます。個人的には暇つぶしとしても微妙ですね、何か居酒屋でつまらない話を延々と聞かされている中でたまになるほどと頷いているような気分になります。ただ、OPはヤンキーの雰囲気が伝わってくるラップ調で良かったです。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 5

アルカット さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

原作既読。リメイク希望。

”師匠のいない”史上最強の弟子ケンイチと言えば分かりやすいでしょうか。


まず、原作よりも進行が遅いように感じました。せっかくアニメ化したならサクサクやってほしかったです。

で、初めて観た人は2話ぐらいまで観た後、「お前の方が主人公だったんか~いw」って思われるかと思います。でもご安心を。どちらも主人公です。

次に声優陣ですが、今でも活躍されてる方ばかりで非常に豪華なのですが、いかんせん亜夜(ヒロインの女の子)の声が棒で棒で、げんなり・・・・。
でも、この棒声の人、じつは茅原実里さん(みのりん)なんです。声優ファンの人は、意外なみのりんの棒声時代を聞けると思いますよ。貴重です。

そして何と言っても最大の魅力は主題歌OP「Bomb A Head!」でしょう。一度このOPだけでも聞いてみて下さい♪楽しいですよ。

リメイクする際は、真夜の声優を釘宮理恵さん、亜夜の声優を戸松遥さん辺りでどうでしょうか。マッドハウスさんにお願いしたいものです。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 3

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

萩原一至の嫡男

小学館の広江礼威、少年画報の平野耕太、そして集英社の大暮維人と言えば、
恐らくはオタクの界隈で「萩原一至」の一族に数えられるであろう。

萩原一至といえば、少年ジャンプで「バスタード」を連載していた漫画家であり、若い頃の冨樫義博が生原稿を見て負けを認めたくらいの衝撃だったそうな。

非常に遅筆、良く休載をし、女の子は全員巨乳、過度のエログロ、デジタルによる漫画制作と、実はオタク系の漫画家の始祖とも言えるほど定番を確立した人物でありながら、悪いところまで全員そのまま受け継いでいる。

実は一度もお会いしたことはないのだが、「天上天下」や「ヘルシング」、「ブラックラグーン」はほぼ同時期に連載されてたこともあって、全て当時に読んでいる。

どの作家も「。。。誰かに似ているよなあ。。」と思って、部屋をあさってみたら萩原一至が出てきたという具合である。

自分も少なからず影響を受けていることも認めます。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 4

73.5 8 喧嘩で姉妹なアニメランキング8位
機動戦艦ナデシコ The prince of darkness(アニメ映画)

1998年8月8日
★★★★☆ 3.9 (436)
2167人が棚に入れました
先の戦争終結より3年が経った西暦2201年。地球と木星間に和平(休戦条約)が結ばれ、人類は再び一つになろうとしていた。そんな中、ボソンジャンプを新たな交通手段として使用する計画「ヒサゴプラン」のコロニーが次々と襲撃される事件が発生する。連合宇宙軍ナデシコB艦長ホシノ・ルリ少佐は、事件調査のためターミナルコロニー「アマテラス」へ向かうが……。

声優・キャラクター
南央美、うえだゆうじ、桑島法子、日髙のり子、三木眞一郎、伊藤健太郎、高野直子、岡本麻弥、飛田展男、小杉十郎太、小野健一、横山智佐、菊池志穂、長沢美樹、置鮎龍太郎、松井菜桜子、大谷育江、一城みゆ希、山寺宏一、仲間由紀恵

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テレビ放送編から5年…状況は大きく変化していました

この作品はTVアニメ版の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、TVアニメ編を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

火星での壮絶なラストから5年…物語は突飛なところから始まります。
ミスマル・ユリカの父が墓前の前でお墓に向かって話しかけているのですが、その相手が何とTVアニメ版の主人公とメインヒロインだったアキトとユリカなんです。

メインキャストを序盤でバッサリって…頭の中は?マークでいっぱいになりました。
「どんな展開になっていくんだろう…」
と思っていた矢先にナデシコが登場するのですが…艦長はなんと電脳美少女のホシノ・ルリだったんです。

ルリちゃんは16歳になっていました。
世間では「史上最年少の天才美少女艦長」と呼ばれており、大人から子供までもが知っている人気ぶりなんだとか…
そしてこの劇場版は彼女を中心に物語が動いていく事となります。

TVアニメ版のナデシコの乗組員は個性派揃いでしたが、憎めない人たちばかりでした。
劇場版で見たかったのはみんなの勇姿…けれども蓋を開けてみると当時の面影は僅かにしか残っておらず、みんな地球でバラバラになってしまっていたんです。

「ナデシコに乗り込む」という事は、危険に向かって自ら進んで行く事…
だから地球上で危険と隣り合わせではない普通の生活を臨んでも構わない訳ですし、自分がその立場なら間違いなく安全を取ると思います。

でも、全員が安全を選択したかというと必ずしもそうではありません。
ナデシコの新艦長であるルリちゃんが良い例です。
彼女はナデシコを自分の居場所とし、メインコンピューターである「オモイカネ」との繋がりをとても大切にしていました。
それにオモイカネも相変わらず茶目っ気タップリで応えています。

変わる事は決して悪い事ではありません。けれど、変わらない事を選択する勇気も大切だと思います。
彼女が変わらずナデシコに自分の身を置いているのは、この場所を守りたかったから…
アキトがいて…ユリカ艦長とみんなと過ごした大切な場所だから…
自分を変えてくれた場所だから…

改めて考えてみると、ナデシコに乗り続ける理由ってたくさんあるように思います。
自分の意思でそれを忠実に実行しているルリちゃんを見ていると本当に彼女は変わったんだなぁ…と思いました。

一方、物語の方は謎のコードネーム「OTIKA」がコンピューター上に表示されてから予想外の方向に転がり始めます。
ここで感じるのは5年の歳月がもたらした傷の深さ…だったと思います。

絶対変わりたくなかった…だけど変えられて…もう戻れなくなった…
時間の使い方は自分で決める…そんな当たり前の事すらできなくなった…
途切れない思いと行き場を失った思いが交錯する…答えなんて出せないくせに…

そしてルリちゃんは呼びかけます…
旧ナデシコ乗組員はその呼びかけにどう応えるのか…気になる方は本編でご確認下さい。

約80分の作品でした。ラストも綺麗な纏まっていたと思いますが、個人的にはそこまで綺麗に纏めなくても…と思ったのも事実です。
でもルリルリの衝撃発言や続編を示唆する伏線がたくさん残されています。
絶対続編を期待させる展開なのに…
大人の複雑な事情が色々あるようですが、続編が決まったらファンが大喜びする事間違いなしの作品だと思いました。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 18

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ホシノルリが美しい。ブラックサレナがカッコイイ。

 バブルが崩壊しているのにノリだけは引き摺って、真面目が間抜けと同義になったころの作品。アニメの演出も悪ふざけ的でそういった時代性が色濃くでています。
 ただ、初めは悪ノリが鼻につきますが、ワンカットワンカットがえっというくらい尻切れトンボで作られており、戦闘シーン、ナデシコ艦橋、SF的な設定などの確かさと相まってこのノリというかテンポが心地よくなって行きます。すぐに映画世界に引き込まれてゆきます。もちろんこのノリは昔のナデシコの続きである証でもあります。

 その後、地上での墓参りのシーンなどに象徴されますが、そういった悪乗りは抑えられて、物語のダークな部分を際立たせています。

 で、中盤の終わりの墓場のシーン。非常に印象に残っております。青空の下の喪服姿のルリルリの美しさはもちろんですが、レシピを渡すシーン。彼には未来の無いことをアキトはルリに宣言します。明示されませんがレシピが彼の人生の象徴なのでしょう。たとえユリカが救われても2人には将来が無いような予感がしました。ここが本作の一つのクライマックスな気がします。
 アキトとホシノルリの強い絆が伝わって来て、美しいながら悲しいシーンでした。

 このシーンを見て思い出すのが、ホシノルリもまた遺伝子操作された人間だということです。こういう非人間的な暗さを相対化するためにも、悪ノリが必要だったのでしょう。TVシリーズもノリの部分が強調されて明るいストーリーに見えますが、実はすごく暗い設定が根底にあるので、そこを強調したのだと思います。

 で、本作はボソンジャンプの支配権をめぐっての争いと陰謀がストーリーの幹になっていますし、それこそがアキトとユリカの悲劇的な状況の元凶ですが、これ自体はストーリーの本筋ではありません。
 やはりナデシコという戦艦に乗り込んだ人間たちが勝手な事をやっているように見えて一致団結して敵を倒すということ、何よりボソンジャンパーとしてのアキトの悲惨な現状と未来をちゃんと説明して結末を迎えるのが、この映画のメインストーリーだと思います。

 TVシリーズの続編として、ナデシコの世界を終わらせるストーリーは暗く悲しいストーリーですが、いい話だったと思います。2期の企画が駄目になった話をよく聞きますが、この映画の出来からいってこれでも良かったのかなという気がします。

 結論を言えば面白いと言うよりは非常に「いい映画」でした。時代性はありますがそれが素晴らしくて味わいたくなります。アニメの出来は最高水準でした。

 それにしても、ホシノルリは美しかったです。デザインもさることながら、演出や画が良くできていました。ナデシコ艦橋でほぼ立ったような姿勢で、指揮を執る姿はゾクゾクしました。
 あとはブラックサレナですね。音楽の良さと合わさって、鳥肌が立つくらいカッコ良かったです。
 ホシノルリとブラックサレナは出色の出来なので、これだけでもこの映画を見る価値がありました。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 2

lostmemory さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

あまりにも衝撃的だった劇場版

当時リアルタイムで見に行ったけど
これほど出だしで衝撃を受ける劇場版も
まあそうないよなあという感じ
ネタバレは防ぐけど、ちょっとだけ。
普通アニメで主人公務めたキャラはそのまま
劇場版でも主人公なのが当たり前だが
主人公が交代した時点で驚きに値する

なおアニメの方を見てないと分からない
ところだらけなのでアニメの方は先に
必ず見ておこう。

作画は今見てもかなり高いレベルで良い
ちゃんと色々設定を練り込んで作ってある
のが良い。あと音楽。個人的に最高だった

ロボットアニメではあるけど主役はタイトル
通り戦艦。こういのって宇宙戦艦ヤマト以来
な気がする。それはともかく戦艦も一応活躍
するけど、それ以上に多くのキャラクターの
群像劇がこの作品の最大の魅力。パトレイバー
とか思い出す。ロボットや戦艦はあくまで
引き立て役というか。個人的にロボットアニメ
の理想がソレなんだよねえ

多少脱線したがアニメを見て気に入ったら
こっちも見ておいて損は無い。凄くショック受ける
人もいるかもしれないが、個人的にはここまで
挑戦した意欲的な劇場版アニメはそう無いので
高く評価したい。よくあるアニメで人気でたから
勢いで劇場版も作りました!みたいな軽いノリの
作品ではないので。むしろ重すぎる


※追記※
この作品の終わりに納得出来ない人は、ちょっともう
手に入りにくいですがキャラデザと作画監督努めた
後藤圭二氏の画集でルリがドレス着ているのが表紙の
やつを買ってください。これの巻末に後藤圭二氏自ら
描き下ろしの後日談の漫画があります。これが凄く
良い内容で、何故これを映像化しなかったんだ!と
言いたくなるくらい綺麗な終わり方してます。
本作ではメインヒロインから交代したユリカがしっかり
メインヒロインに戻ってるのが素晴らしい。
ただ画集自体はナデシコは半分くらいなのでそこは注意。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 2
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